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ドイツ時計散歩③ デッサウ

 

ドイツ時計散歩

デッサウ

DESSAU

 

エルベ川沿いに建つコルンハウス

コルンハウス内部1

❶エルベ川沿いに建つ“コルンハウス”もデッサウの代表的な建築物のひとつ。グロピウスの事務所に勤めていた建築家、カール・フィーガーが設計したレストランだ。全面ガラス張りされた円形の建物が特徴的で、その内側からは食事をとりながらエルベ川を望めるように作られている。我々が訪れたとき外部の円形テラスは封鎖され使われていないようだった
コルンハウスの円形テラス

 

 1920年代、当時世界の最先端をゆくモダニズム建築が点在するデッサウ。世界文化遺産にも登録され、中心部にはその象徴ともいえるバウハウス校舎が建つ。まさに聖地ともいえるこのデッサウを今回はじめて訪れた。
 
 3回目となる〝ドイツ時計散歩〟。今回訪れたのは、メイン特集のテーマが〝ドイツデザイン〟ということもあり、当然訪れないわけにはいかないだろうということで行って来ました〝デッサウ〟。前回取り上げたグラスヒュッテに比べたら、デッサウは世界文化遺産にも登録されているバウハウス関連の施設が多く点在することもあって、行ったことがなくても、いろいろなメディアで紹介されているのでほとんどの方がご存じなのかもしれないが、今回はバウハウス・デッサウ校舎を中心にした周辺の散策Mapも付けさせていただいた。位置関係も併せて参考にしていただければ幸いである。
 
 さて、今回の取材もメインはグラスヒュッテだったため、滞在はドレスデン。デッサウへは列車という手もあったが、建築物が点在する現地での移動やカメラなどの機材もあるためロケバスをチャーターして訪れることにした。取材当日はドイツ滞在6日目。それまでの5日間はずっと雨だったため天候がやや不安だったが、きっと日頃の行いが良かったせいだろう、この日だけはちゃんと朝から晴れ間がのぞいてくれた。
 
 ドレスデンからの所要時間はアウトバーンを利用して約1時間40分。さすが環境先進国ドイツ。アウトバーン沿いの丘の上には風力発電用の巨大な風車がいくつも設置されている。まるでジブリ映画に出て来そうな、どこか近未来的な雰囲気さえ感じるとても印象的な景観だ。そんな風景に見とれていると、突然ドライバーが電波妨害用の鉄塔だと言って遠くにある古い鉄塔を指差した。そうか、ここはかつて東ドイツ圏だったのである。
 
 そうこうしているうちにデッサウに到着。まず最初に向かったのはテルテン団地(写真❾)。ヴァルター・グロピウスが1926年から3年にわたって作った国営農地付き住宅団地である。低所得者向けとして、少しでも賃料を安くするために建築のあらゆる面で合理化が図られ、建物も画一化されている。なお、改修が施されていまでも実際に人が住んでいるから凄い。このテルテン団地内には初のプレハブ化を試みた鉄骨造実験住宅、スチールハウス(写真❸)もある。また、そこから歩いて行ける距離にあるのが外廊下型の集合住宅(写真❹)。日本でも良く見かける外に廊下があるマンションだ。それにしてもこの外廊下方式はグロピウスが考えたものだったとは実に驚きである。
 
 ちょうど昼時になったのでクルマでエルベ川沿いに建てられたレストラン、コルンハウスに行きランチをとった後、続いて向かったのが、職種ごとに外に扉が設けられた職業安定所(写真❻)。採光を取り入れた作りの天井に、内部には出口の扉(写真❺)が整然と配されるという合理的な作りが見て取れる。そして最後に訪れたのが、念願だったバウハウス校舎(写真❽)とその教授陣向け住宅、マイスターハウス(写真❷、❼)である。マイスターハウスは1920年代のモダン住宅の傑作と言われるだけにぜひとも家の中も見たかったのだが、残念なことにタイムオーバー。結局、中には入れず外から眺めるだけとなってしまった。
 
 さて、今回はじめてデッサウを訪れて思ったのは、正直自分が思い描いていた以上にモダンで素晴らしかったということ。ぜひ機会があればもう一度訪れてみたいものである。

 

マイスターハウス1

スチールハウス
外廊下型の集合住宅
コルンハウス内部2
職業安定所

 

マイスターハウス2

バウハウス校舎

テルテン団地

デッサウのバウハウス関連施設マップ

 

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

 
時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」、近年では女性向けウオッチマガジン「ワッタイム」と、時計関連の雑誌を次々に生み出す。また、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のプロデューサーとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。GERMAN WATCH.jp編集長。

2018.04.01 UPDATE

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