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ドイツ時計 実機でインプレッション【1回】

パイオニア ワンのイメージ

 
 

アンダー20万円で買えるハンハルトの新作


 新作だけに限らず現行の定番モデルなども含めて、ちょっと気になる時計について、今後は少しずつインプレッションさせていただこうと思う。その1回目は、入荷が始まったハンハルトの新作、パイオニア ワンについて。
 
 このモデルについてはすでに、当サイトにおいて4月25日に配信されたニュース記事で紹介されているが、今回、実機を見させていただいたため、あらためて感想を述べたい。
 

1940年代に製造されたハンハルトのワンプッシュクグラフ
写真❶/1940年代に製造されたワンプッシュクグラフ(Cal.40搭載)。2時位置にあるプッシャーに塗られていたレッドペイントは経年で落ちてしまっている。ドイツ腕時計 No.4に掲載(コレクター私物)
 ハンハルトと聞いて真っ先に思い浮かべるのは、第2次世界大戦時のドイツ海軍砲兵部隊で使われたと言われているワンプッシュのクロノグラフ、プリムス(写真❶)だろう。視覚的に判別しやすいようにプッシャーのみを赤くペイントしたリセットボタン、回転ベゼルに設けられた、滑り止めのためとおぼしき、コインエッジの装飾など、まさに軍用としての操作性を考慮した傑作である。

 
 
 このパイオニア ワンは、そのDNAを宿す後継機にして、1950年代に西ドイツ空軍に供給された417ES(2カウンタークロノグラフ)の意匠を3針にアレンジしたものだという。実は、現在ハンハルトが展開するコレクションは、軍用クロノグラフで名を馳せた当時に倣って、そのほとんどが2カウンタークロノグラフ。
 

 3針モデルはパイオニア プリヴェンダー9(写真❷)のひとつだけだった。そう考えると、スタンダードなラインに選択肢が増えたことはユーザーにとっては喜ばしいことなのではないか。
 さて、既存の3針モデル、プリヴェンダー9との違いはベゼル。固定式のスムースベゼルなのに対して、新作はハンハルトの軍用クロノグラフを象徴するコインエッジの回転ベゼルが採用された。つまり、往年のハンハルトらしさが楽しめる作りになったというわけである。
プリヴェンダー9
写真❷/固定式スムースベゼルにアラビアインデックスという、軍用パイロットウオットのスタンダードなデザインを採用したプリヴェンダー9。SS(40mm径)。10気圧防水。自動巻き。20万5200円

 
 3針に回転ベゼル。機能というよりもデザイン的な意味合いが強いが、これはこれで雰囲気的には悪くない。ただ、やはり軍用時代のディテールのため主張は強い。そのためスーツスタイルというよりは、ジャケパンスタイルに合わせたいところだ。古典的なベゼルの放つ適度な存在感が、たとえビジネスシーンであっても、ファッション的にいい感じでアクセントになるに違いない。
 

パイオニア ワンのベゼル
手袋の上からでも回転ベゼルの操作が行えるように、滑り止めとして設けられた装飾。硬貨のフチのキザギザのように見えることからコインエッジと呼ばれる。一箇所だけ赤に塗られているのは、経過時間を把握するための目印。時間が制約されている会議などに活用するとよい
パイオニア ワンのリューズ
1940年代当時からグローブを着けた上からでも操作しやすいように、リューズ自体は大きいものが採用されていた。ある意味これもハンハルトの軍用クロノグラフの特徴を受け継いだもの

 

パイオニア ワンの文字盤
パイオニア ワンのケースサイズは既存のクロノグラフコレクションと同じ40mm。とかくインダイアルがないとデザイン的に間延びしがちなのだが、そう感じさせないように、文字盤に凹凸を付けてアクセントを加えている
パイオニア ワンの裏
シースルーバックからはムーヴメントが見られる。10気圧防水なのもポイント

 
パイオニア ワンの着用

実測値だがケース厚は12mm。ドレスウオッチではないので、数字的には悪くない。着けていてもそれほど邪魔にならない厚さだ。ベゼルは主張が強いが、基本デザインはシンプルなためカッチリしたファッションでなければ、だいたい合うだろう(着用写真は編集部スタッフ)

 
パイオニア ワンのベルト

パイロットウオッチの雰囲気を強調するリベット付き革ベルト。個人的なことで恐縮だが、手首の細い僕の場合、海外ブランドの時計の大半が、穴の位置が合わない。この革ベルトは、それが既存の穴でもちゃんと合ったことに驚いた(笑)



 

INFORMATION


ブランド名 HANHART/ハンハルト
モデル名 パイオニア ワン
品番 Ref.762.210-0010
ケース素材 ステンレススチール
ベルト素材 レザー
サイズ 40㎜
防水性 10気圧防水
ムーヴメント 自動巻き(Cal.セリタSW200、毎時28,800振動)/約38時間パワーリザーブ
税込み価格 19万4400円
問い合わせ リンクアップ TEL.075-693-1236 hanhart.jp
パイオニア ワンのの正面

 

 

菊地 吉正

菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa

 
時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」、近年では女性向けウオッチマガジン「ワッタイム」と、時計関連の雑誌を次々に生み出す。また、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のプロデューサーとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。GERMAN WATCH.jp編集長。

2018.06.26 UPDATE

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