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GPHGで受賞を果たしたステファン・クドケ氏 来日インタビュー

 

KUDOKE

クドケ

 
GPHGで受賞を果たしたステファン・クドケ氏 来日インタビュー

“クドケの時計はステファン・クドケという
時計師が作ったもの。誰が作ったのか明確で
あることが安心感にも繋がると思う”


 
 2019年のGPHG(ジュネーブ時計グランプリ)の“Petite Aiguille(小さい針)”部門にエントリーした“クドケ2”が見事受賞を果たしたステファン・クドケ氏が同年11月末に来日し、トークイベントを開催した。
 そこで、多忙なスケジュールのなか同氏にお時間をいただき、受賞した心境と今後の展望についてお話しをうかがった。
 

GPHG(ジュネーブ時計グランプリ)で“Petite Aiguille”(小さい針)賞を受賞したクドケ夫妻

 
 
——————————この度はクドケ2のご受賞おめでとうございます。まずは受賞を受けてご感想をお聞かせください。
 
「こうした栄誉ある賞で受賞できたことに対しては素直にうれしく思います。エントリーしたほかの時計がすばらしいものばかりで、まさか受賞できるとは思ってもいなかったので驚いています(笑)」
 

受賞作の“クドケ2”。2018年に念願だった自社製ムーヴメント“カリバー1”を開発し、これを搭載した“クドケ1”の派生モデルとして2019年に発表された新モデルだ。
■SS(39mm径)。5気圧防水。手巻き(Kaliber 1 in version 24H)。121万円

 
 
——————————今回、クドケ2がエントリーした“Petite Aiguille(小さい針)”は、1万スイスフラン以下の時計が対象となる部門で、IWCのスピットファイアやゼニスのパイロット タイプ20などがノミネートされていました。そのなかで、クドケ2が受賞した理由として、ご自身ではどの点が評価されたのだと思いますか。
 
「自社製のムーヴメントを搭載しているという点もひとつですが、1番は“24時間計”ではないでしょうか。市場でよく見かけるディスクタイプの24時間計は大半がフラットでかつプリントによるものですが、クドケ2は立体的でかつハンドエングレービングによって仕上げています。こうしたディテールを含め、トータルとしての独自性や仕上げのクオリティを評価していただけたのだと思います」
 
 
——————————“24時間計”を選んだのには、何か意味があったのでしょうか?
 
「数年先のビジョンとして、ひと目見て“クドケの時計”だとわかるようなアイコニックな意匠を加えたかったんです。“無限”を意味する“8”の字を模したインフィニティ針もそのひとつですが、クドケの時計ということであれば、やはりアイコンとなるのは“エングレーブだろう”と。そこで“太陽”と“月”のレリーフ彫りを施した24時間計を加えたのです」
 
 
——————————なるほど。確かにクドケ2は、全体としてはシンプルにまとまっていながらも、強烈なオリジナリティを感じさせる時計ですね。
 
「時計を作るっていうことが大好きで、時計を作ることに情熱を燃やしている若い時計師さんがいまして、若いにもかかわらず、すべて自分でゼロから組み立てることができる腕と知識を持っている、こういう可能性のある人材がいるというところは素晴らしいですね」
 
 
——————————そうなると当然、ポジション的には開発責任者という重責に加えて、人材を育てるということも担っていくわけですね。
 完成度の高さもさることながら、私が特に驚かされたのが価格設定です。この24時間計もそうですが、ムーヴメントの制作もほぼおひとりで行われていて、非常に手間と時間が掛かっていますよね。にもかからず価格は1万スイスフラン以下。ユーザーとしてはうれしい限りなのですが、正直もっと高額な価格設定でもよかったのではとも思うのですが。
 
「そのことは実は皆さんによく言われるんです。倍の価格でもいいんじゃないかって(笑)。ただ、私自身としては、多くの人に購入していただける現実的なプライスで提供したいという思いが根底にありまして。また、こだわりとして定価を高く設定してディスカウントして販売するような方法は採りたくはないんです。だから、最初から時計の価値に見合った価格を設定しているつもりです。素材の原価などが年々上がってきているので値上げについても考えていかなければならない時期にはなっていますが、あくまで“価値に見合う価格設定”というのは、今後も続けていきたいと思っています」
 
 
——————————ありがとうございます。それでは最後に今後の展望についてもお聞かせください。
 
「GPHGの受賞後、ありがたいことに世界中からオーダーをいただきまして、いまはその対応で手一杯というのが正直なところです。ただ、将来的にはコンプリケーションを含めて“クドケ3”、“4”と展開していきたいと考えていますので、ぜひご期待ください。
 いまは製造におけるオートメーション化が進み、“誰”が作った時計なのかが非常に曖昧になっています。そんななかでもクドケの時計は、ステファン・クドケという時計師が手作りする昔ながらの手工芸というスタイルを続けていきたいと思っています。こうした私自身のこだわりを、日本の時計コレクターのみなさんが“価値”のひとつとして感じていただけるとうれしいですね」
 
 

インタビュー後、筆者と

 
 
(文◎堀内大輔)
 
 

問い合わせ:シェルマン日本橋三越 TEL.03-6225-2134
http://www.shellman-online.jp

 

2019.12.20 UPDATE

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