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ツァイトマイスターの魅力に迫る

ツアイトマイスター

 

WEMPE

ヴェンペ

 

ZEITMEISTER

20万円台から楽しめる身近なドイツ時計
“ツァイトマイスター”


 

 グラスヒュッテの高級ドイツ時計ブランド“ヴェンペ”には大きく二つのコレクションが存在する。自社製ムーヴメントを搭載するハイエンドライン、クロノメーターヴェルケと20万円台から様々なモデルがラインナップするツァイトマイスターだ。今回はまず、比較的に手の届きやすい良心的な価格設定ながら高級機並みのクオリティを有しているツァイトマイスターの魅力に迫ってみたい。
 
 ツァイトマイスターが、最初にリリースされたのは1950年代。1960年代にかけてはかなり人気を博したモデルだったようだ。そして、ブランド再興を果たした2006年に復活。現在はグラスヒュッテ天文台と同じ敷地内に2011年に完成した新工房で製造されている。
 

1950年代のツァイトマイスターの広告
1950年代にリリースされたツァイトマイスターの当時の広告(1955年)。マリンクロノメーターをイメージさせるかのように船長のイラストが添えられている
2011年に完成したヴェンペの新工房
グラスヒュッテ天文台の隣に2011年に完成した新工房。ツァイトマイスターはここで作られており、同建物内にはドイツクロノメーター試験所やヴェンペの時計師を養成する時計学校も併設されている

 
 ツァイトマイスターについては、2016年9月に行われた10周年記念パーティー時のインタビューの際に、エグゼクティブディレクターのグンター・トイシャー氏は、130年以上もの歴史を誇る老舗の時計宝飾店として、長年の時計販売を通して得た「顧客目線のモノ作りと質の高い、そしてリーズナブルな時計を提供するという、ヴェンペのブランドポリシーを体現するコレクション」と語っている。
 現にツァイトマイスターは、豊富なラインナップもさることながら、20万円台からと比較的手の届きやすい価格設定のエントリーラインである。しかもすべてのモデルは、ドイツクロノメーター基準をクリアするなど実力面からみると高性能機だ。
 これについてトイシャー氏は、「我が社はかつてマリンクロノメーターのメーカーでした。そのためクロノメーターはある意味絶対条件なのです。そして、その基準をクリアするために、ムーヴメントメーカーから購入した汎用ムーヴメントであってもそのまま使うのではなく、すべて一度分解してから高い精度が出るように再調整したうえで搭載しています」と述べている。
 
ヴェンペの工房内の様子

工房内の様子、ツァイトマイスターは全モデルがドイツクロノメーター試験にパスするレベルまでモデファイされる



 

 ツァイトマイスターに搭載されているのは高性能な自社ムーヴメントではなく、ETA社やセリタ社の汎用ムーヴメント。しかし、そのどれもトップクラスのものを採用している。それにもかかわらず分解再調整にこだわる背景には、「作業の50%をグラスヒュッテで行う」というグラスヒュッテ基準も関係しているとトイシャー氏は語る。
 しかしながら、同社は単純に分解再調整するだけではないからスゴイ。何とその際に、緩急針をエタクロンからより微妙な調整が可能で安定性も高く高級なトリオビスに交換し、耐震装置もインカブロックではなくバネの自由度が高く復元性が高いキフショックに変更している。つまり、贅沢すぎるほどのモデファイが加えられているのだ。ツァイトマスターが「ブランドポリシーを体現するコレクション」たるゆえんは、まさにこの点にあると言えるだろう。
ヴェンペのグンター・トイシャー氏
ヴェンペの時計ブランド部門を取り仕切るエグゼクティブディレクターのグンター・トイシャー氏は開発の責任者でもある

 
 また、ツァイトマイスターには、この高いクオリティに加えて、もうひとつ忘れてはならない魅力がある。それは、シンプルかつクラシカルで落ち着いたデザインだ。そのためビジネススタイルに合わせやすい。しかも最低限の機能から多機能モデルまで、使う人のライフスタイルに合わせた、様々な実用機能を備えたバリエーションが用意されている点もうれしい。これもある意味、時計の販売を通してこれまでユーザーの声を直接聞いてきたヴェンペらしさと言えるだろう。
 生粋のドイツ時計にして、安心してしかも手軽に楽しめるツァイトマイスター。一考の価値ありである。
 

トリオビス
ヴェンペ仕様に改良されたETA社のCal.2892-2。丸印が精度を司る最も大切な心臓部(脱進機)。この中の緩急針を通常のエタクロンからトリオビスに交換している

 

耐震装置
これが耐震装置。テンプの軸を支える(上の写真丸印)重要なパーツだ。そのためインカブロックではなく “キフ”が採用されている
ヴェンペ仕様にモデファイする様子
手間がかかる作業だが高いクオリティを保つためにすべて分解してヴェンペ仕様にモデファイされる

 
(取材・文◎菊地吉正/写真◎神戸シュン)
 

ツァイトマイスター アニュアルカレンダー

2016年に10周年記念として発表されたスペシャルエディション。アニュアルカレンダーとは、大の月(31日)、小の月(30日)を自動で判別してくれる機能をもつカレンダー機構のことだ。つまり2月以外は月末に調整する必要がなくとても便利な機構である。しかも複雑機構を持ちながらこの価格はかなり良心的だ。Ref.WM69 0003。SS(42mm径)。3気圧防水。自動巻き(ETA2892-2ベース)。世界限定100本。130万6800円


 

ツァイトマイスター オートマティック

オートマティック

ベーシックな3針モデル。飽きのこないシンプルなデザインに加え、日本人の腕にジャストな38mmというサイズも魅力的だ。外されがちな日付け表示をちゃんと備えている点も評価できる。入門機としても最適なモデルだ。
Ref.WM14 0003。SS(38mm径)。3気圧防水。自動巻き(ETA2892-A2ベース)。24万8400円

ツァイトマイスター ワールドタイム

ワールドタイム

時分針と連動して常に回転する文字盤中央の24時間ディスクによって世界24都市の現在時刻が瞬時に確認できるというスグレモノ。まさにワールドワイドに活躍するビジネスマンに最適なモデル。
Ref.WM34 0003。SS(42mm径)。3気圧防水。自動巻き(ETA2893ベース)。31万8600円

 

ツァイトマイスター トリプルカレンダー ムーンフェイズ

トリプルカレンダー ムーンフェイズ

12時位置の小窓に月と曜日、文字盤中央の数字を専用の指針で指し示すポインター式日付け表示を有するトリプルカレンダー。さらに月の満ち欠けを表すムーンフェイズを6時位置に備えた多機能仕様である。
Ref.WM35 0001。SS(42mm径)。3気圧防水。自動巻き(ETA2892-A2ベース)。39万9600円

ツァイトマイスター クロノグラフ

クロノグラフ

クロノグラフを搭載するコレクション唯一のスポーツモデル。しかしながら無骨さはなく洗練された印象に仕上がっているためビジネスもOK。3時位置に30分積算計、6時位置に12時間積算計、9時位置にスモセコを備える。
Ref.WM5 40001。SS(42mm径)。3気圧防水。自動巻き(ETA7753ベース)。36万7200円

 

問い合わせ:シェルマン TEL.03-5568-1234 www.shellman-online.jp

2018.06.07 UPDATE