グラスヒュッテ・オリジナルの象徴
GLASHÜTTE ORIGINAL
グラスヒュッテ・オリジナル
ブランドを象徴するパノラマデイト機構
1990年のドイツ統一の余波を受けて94年に民営化して以降、高級化を推進し、今日ではドイツを代表する高級時計メーカーのひとつとなったグラスヒュッテ・オリジナル。そんな同社を象徴する機構が、97年に発表したパノラマデイトだ。
これは、デイトディスクを一の位と十の位に分けることで表示を大きくし視認性を高めたビッグデイト表示の一種なのだが、パノラマデイトと呼称し、差別化しているのには明確な理由がある。ずばり同社の特許技術であるためだ。
パノラマデイトが一般的なビッグデイトと異なる点は、一の位と十の位の数字の間に本来あるはずの間仕切りがない点。これにより判読性がいっそう高められている。加えて、間仕切りがないことで見た目にもかなりすっきりとした印象を与えており、高級時計にふさわしい洗練された印象を高めるなど、デザインという面からみてもその恩恵は大きいだろう。
またこの機構で巧妙だったのは、複雑な制御ながらも非常にコンパクトにまとめられた設計となっている点だ。そのため、文字盤側にほかの機構を追加しやすく、ムーンフェイズ表示付き、パワーリザーブ表示付き、トゥールビヨン付きなどといった多機能モデルも数多く生み出された。登場から20年以上経った現在では、この機構にちなむ“パノ”コレクションのみならず、いまやコレクションの枠を超えて採用されている。
パノラマデイトを搭載した2018年モデル
高い視認性を実現しながらも、決して主張が強いわけではないパノラマデイト。だからこそどんなモデルにもなじむし、エレガントな雰囲気を高めるアクセントとして生きているのあろう。
(文◎堀内大輔)
2018.11.12 UPDATE