A.ランゲ&ゾーネを象徴する第1号ブティックがリニューアル
A.ランゲ&ゾーネ・ドレスデンが直営ブティック第1号店として、ドレスデンのシンボルである聖母教会に隣接するクヴァティアFにオープンしたのは2007年9月のことである。それから10年の歳月が流れ、変革の時がやってきた。舞台をノイマルクト広場に新築されたパレ・シティ・ワンに移し、売場面積176平米のゆったりとした空間と新しいデザインコンセプトで生まれ変わった、A.ランゲ&ゾーネ・ドレスデンが2018年10月24日にオープンした。
世界の主要都市のブティックで構築するネットワークのなかで、A.ランゲ&ゾーネ・ドレスデンは重要な役割を果たしている。ノイマルクト15番地というドレスデンでも指折りの好立地を得たうえに、新コンセプトの内装とディスプレイを初めて実現したこのブティックは、A.ランゲ&ゾーネのいわゆる“ショーウインドウ”という位置付けにある。
この新ブティックについてランゲ本社CEOのヴィルヘルム・シュミット氏は、「パレ・シティ・ワンは、ドレスデンの中心地にあってバロック時代の面影を偲ばせ、現代的な雰囲気のなかに歴史的な趣きが違和感なく溶け込む場所です。A.ランゲ&ゾーネにぴったりの立地と言えるでしょう」と述べている。
ここはかつて、ドレスデン有数の高級ブティックとして知られた、金属細工師である宮廷宝飾職人であったモーリッツ・エリマイヤーの店があった場所である。パレ・シティ・ワンは店舗と住居からなる建物で、歴史的建築物がそうであったように、ファサードには外装石材の装飾が取り付けられており、ブティック正面のショーウインドウのデザインにも、同じ装飾が取り付けられている。
店内では、明瞭なフォルムと多数のディテールが、マニュファクチュールの歴史と価値観を物語る。新デザインのショールームを仕切る開放感ある大きなガラスのファサードの背後に控えるスペースは、直方体の空間を交差させたような間取りとなっており、角を曲がるたびに新たな光景が眼前に広がる、これらの空間の一つひとつに、時計のプレゼンテーションの間、応接の間、商談の間という機能が割り当てられている。
ヴィルヘルム・シュミット氏は、この新コンセプトを世界的なマーケティングおよび販売戦略における重要な一歩と位置付け、「私たちは、ディテールの一つひとつにブランド“A.ランゲ&ゾーネ”の個性を反映させることに重点を置きました。建築士の皆さんと一緒に、バウハウスの理念に従い、まさに当社の時計がそうであるように、工芸美と様々な素材と技術を融和させようと決定しました」と語る。
A.ランゲ&ゾーネの時計は常に、時代を超越した記憶に残る品質の高さで知られ、高い評価を受けてきた。見紛いようのないブティックの外観は、カラーと素材と表面が見事に調和した結果でもある、新ブティックのデザインコンセプトは、この調和を取り入れることによって、マニュファクチュールの国際市場における印象を現代感覚に合ったものにし、細部に微妙にスパイスを効かせようというものだ。
そのために、技術における先進性を感じさせるスチールから、エルツ山地に生まれたブランドの故郷への愛着を表す天然石に至るまで、様々な素材を使用している。ブランドカラーのグレーにも、新たなトーンがいくつか加わった。そのひとつは、ゴールドとシルバーの中間色のような独特の温かみのある色調である。これは、どのランゲムーヴメントにも使用されている洋銀の色である。この色調は直営ブティックのために、特別に開発されたものだ。
壁面家具のアクセントは金属製の装飾帯である。このストリップは、視線を引き付けるだけでなく、ランゲウオッチならではの特徴も意味している。部品の角を面取りして光沢が出るまで磨き上げるのと同じ加工を、このストリップにも施している。さらに内側には、線彫り模様が入っている。これも、時計の部品のいくつかに施されている、ランゲ独特の装飾模様である。
ラウンジには“エクスペリエンス・ライブラリー”を設けている。ここでは、特大サイズの活字ケースに、ブランドとその工業技術の歴史を物語る多数の品々を収め、丹精を込めて製作したレプリカとともに展示。訪れる人が楽しめる空間を創出している。
2018.12.06 UPDATE