【ドイツの独立時計師ステファン・クドケ】作り手の情熱とストーリーがみえる2部作、クドケ2&クドケ2 ノクターン(夜想曲)
KUDOKE
クドケ
もともとは独創性に富んだスケルトンウオッチを得意としていたステファン・クドケ氏は、2018年に念願だった初の自社製ムーヴメント、カリバー1を完成させた。
このカリバー1における創造性と技術力が高く評価され、独立時計師創作家協会(AHCI、通称アカデミー)の準メンバーに選出されたほか、19年のGPHG(ジュネーブ時計グランプリ)で“Petite Aiguille(小さい針)賞”を受賞するなど、時計師としてさらなる名声を得たことは記憶に新しい。

このGPHGでの受賞作となったのが、彫金師でもあるクドケ氏ならではと言えるハンドエングレービングの技術が光る“クドケ2”である。
12時位置に据えられるのは、夜空と星、そして太陽が描かれたナイト&デイ表示で、これはもちろん氏自身によるエグレービングによって仕上げられたものだ。
繊細なエングレーブも美しいが、それ以上に注目してもらいたいのはこのナイト&デイ表示が“ドーム状のディスク”で現された点にある。これにより立体感が生まれ、時計の表情をさらに豊かにしているのだが、言わずもがな、一般的な平面ディスクにエングレービングを施すよりも、作業ははるかに難しい。氏の彫金師としての力量の高さが発揮されたポイントなのだ。
この印象的なナイト&デイ表示と、無限大を意味する“インフィニティ―ハンド”と名付けられたユニークなフォルムとなった針と組み合わせることで、シンプルな2針時計に強烈なオリジナリティを与えている。
さらに2020年にはこのクドケ2と対になるモデル“ノクターン”が世界限定20本でリリースされた。
既存のクドケ2とは対照的なアンスラサイトカラーの文字盤が採用されるノクターンでは、針もブルースチールからシルバーに改められた。また色だけでなく、文字盤の表面仕上げも変えて“夜”の雰囲気が表現されている。
さらに氏のこだわりはムーヴメントにもおよぶ。
クドケ2とノクターンに搭載するのは、構造は同じだが、受けの素材や仕上げ、テンプ受けのエングレーブまで変えている。設計から、製造、仕上げまでをすべて行う、独立時計師だからこそできるモノ作りと言えよう。
クドケ2とノクターンは。古き良き時代の伝統を感じさせるスタイルと、クドケ氏の感性や表現力、技術が高い次元で融合した意欲作なのである。
文◎堀内大輔(編集部)
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