• facebook
  • twitter
  • instagram
HOME > SPECIAL > 【ドイツ時計を深掘り】完全自社製ムーヴメント搭載の新作を発表したダマスコにフォーカス!

【ドイツ時計を深掘り】完全自社製ムーヴメント搭載の新作を発表したダマスコにフォーカス!

 ドイツのレーゲンスブルクで、1994年に創業した時計メーカー。金属加工会社を母体にしている金属加工のスペシャリストで、高い技術力により、堅牢なケース素材やボールベアリング、ベゼル構造、リューズの開発を行っている。またシリコン製ヒゲゼンマイを自社生産するなど、時計に関する特許を実に100以上も取得。その優れた製造技術は広く認められている。また今日では自社生産比率が90%以上に到達しており、マニュファクチュールとしての歩みを進めている。

 今回は、ついに完全自社製ムーヴメント“A26”を開発し、マニュファクチュールとしての歩みを大きく進めた、ダマスコを深掘りしていきたい。

 まずは、今回同社が発表した完全自社製ムーヴメントについて詳しく解説しよう。

 いままではETA社製の自動巻きムーヴメントの“ETA2824-2”を採用していた同社だが、それを置き換える汎用ムーヴメントが完成させた。それが完全自社製ムーヴメントキャリバー“A26”(A26-1:日付けなし、A26-2:日付けあり)である。このA26はETA2824-2の単純な代替品ではなく、非常に個性的な性能を有しているため、それらの特徴を紹介していきたい。

 主な特徴としては、両持ちのテンプブリッジを配することで、高い耐衝撃性を有している。また、歯車ではなく、爪で巻き上げるラチェット式自動巻き(ETA2824-2はリバーサー式)を採用し、自動巻き機構にセラミックベアリングを使用することで巻き上げ効率がETA2824-2に比べて約10%向上しているという。簡潔なラチェット式の自動巻き機構は、部品数が少ないため、摩耗しにくいという利点をもつ。また、メンテナンスが容易なのも特徴的。巻き上げ効率が優秀なため、デスクワーク中心の生活でも十分に巻き上がるのだという。

 ここからは、前述したダマスコの完全自社製ムーヴメントである、A26を搭載した最新モデルの詳細をお届けする。

DK30

■Ref.DK30B

■Ref.DK30L。
【共通スペック】
SS(39mm径)。20気圧防水。自動巻き(Cal.A26-1)。26万7300円(レザーベルト)。35万5300円(SSブレス)

 完全自社製ムーヴメントであるキャリバー“A26-1”を搭載したダマスコの最新モデル“DK 30”。堅牢性と高精度を誇る既存モデルの“DS30”の特徴は受け継ぎつつ、より一層実用性を向上させている。
 文字盤カラーは、ブラックと、ブルーの2色展開。装着性の良いレザーベルトモデルと、ブランドならではの高品質かつ頑丈なブレスレットモデルの2種類からチョイスできるのもユーザーにとってうれしいポイントと言えるだろう。
 夜光塗料にはスーパールミノバを採用しているため、暗闇での視認性もしっかりと確保されている。
 また、長期間に渡って気密性を保つ“ダマスコシステム”を採用したリューズ、急激な減圧に対応するベゼルレスの2ピースケースによって、20気圧防水を有している点も見逃せない。
 ダマスコが開発した、完全自社製ムーヴメントを搭載したこの最新モデルをチェックしてみてはいかがだろうか。

 

 

【問い合わせ先】
ブレインズ(TEL.03-3510-7711)
公式サイト: https://damasko-watch.jp

 

文◎川田健人(編集部)

2021.09.28 UPDATE

RECOMMENDED

 2008年に創業したモリッツ・グロスマン。ドイツ時計産業の聖地であるグラスヒュッテにおいて、最も新しい時計メーカーでありながら、いまやドイツを代表する高級時計メーカーのひとつとして確固たる存在感を示している。

SPECIAL  

ザクセン州の首都ドレスデンに工房を構える独立系ブランド、ラング&ハイネは、往時の宮廷時計の伝統を受け継ぐ時計作りを現代に貫き、徹底したハンドメイドにこだわっている。

SPECIAL  

ドイツ南西部に位置するシュヴァルツヴァルト(黒い森)地方に興り、この地域の時計産業を牽引したユンハンス。同社への本社取材レポートをお届けする。

SPECIAL  

2016年に発表されたグラスヒュッテ・オリジナルの新ベースムーヴメント、Cal.36。同社はこのムーヴメント開発にあたり、四つの原則を掲げたという。

SPECIAL  

LATEST ARTICLE

ヴェンペはドイツにクロノメーター検定を復活させた立役者だった!

長らく歴史の途絶えていたドイツのクロノメーター検定を復活させたヴェンペ。その拠点となるのが同社が所有するグラスヒュッテ天文台である。

SPECIALSPECIAL  

12月19日まで。14のドイツ時計ブランドが集うフェアが日本橋三越本店で開催!

日本国内で取り扱いのある14のドイツ時計メーカーが一堂に会する“ドイツ時計フェア2023”が日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリーで絶賛開催中だ。今年で5回目を迎えるフェアのテーマは“ドイツらしさ!”。

INFORMATION  

【ドイツ時計を深掘り】”ノモス グラスヒュッテ“から“クラブ キャンパスシリーズ”に流行のカラー文字盤モデルが登場!

 ドイツの時計製造聖地であるグラスヒュッテに本拠地を置く時計メーカー“ノモス グラスヒュッテ”がエントリーモデルである“クラブ キャンパスシリーズ”に流行のカラー文字盤を取り入れた最新作を発表したため、その詳細をお伝えす […]

WHAT’S NEW  

【ドイツ時計を深掘り】A・ランゲ&ゾーネの最新直営店がオープン!

 1845年、グラスヒュッテに時計産業を興したアドルフ・ランゲ。彼が興したA・ランゲ&ゾーネは、いまなおグラスヒュッテの市街地にあり、ドイツで最も優れた時計を作っている。しかしその歴史は必ずしも順風満帆とはいえな […]

INFORMATION