ユンハンス 次代の柱となる最新作
JUNGHANS
ユンハンス
100周年記念パーティーに用意されたサプライズ
創業から150年以上の歴史を持つドイツの名門ユンハンスは、最盛期にはクロックの年間製造数が300万個以上にも達し、3000人もの従業員を要した、当時最大の時計メーカーであった。
そんな旺盛を極めた時代に建設され、いまなお現本社裏手に現存する建物が、建築家フィリップ・ヤーコブ・マンツが設計し、1918年に完成したテラスビルディングである。なお現在、このテラスビルディングは改修が施され、同社のミュージアムとして活用されている。
今年のバーゼルワールドで、このテラスビルディングの完成100周年を記念したリミテッドモデルが発表されたことも記憶に新しい。
さらに7月には本社で100周年を祝うパーティーも催されたが、この祝典にはもうひとつ、大きなサプライズが用意されていた。
それが、次代のユンハンスの核となるであろう新作マイスター メガとマックス・ビル メガの発表だ。この2モデルは、同社の主力を担うコレクションのデザインを踏襲しつつも、最新のラジオコントロール ムーヴメントを搭載した、つまり電波時計の最新作である。
電波時計と言えば、今日、国産ブランドが市場をリードしているが、何を隠そう先鞭をつけたのはユンハンスである。1985年に世界で初めて電波式テーブルクロックを市販すると、続く90年には世界初の電波腕時計メガ1(写真)を発表し、時計界に衝撃を与えた。今日、日本では展開される電波時計モデルが少ないためあまりなじみはないかもしれないが、ユンハンスの電波時計コレクションは、同社の技術力の高さを証明するコレクションであり、本国ドイツで主力を担っているのだ。
さて、筆者がこの新作を“次代のユンハンスの核となるであろう”と評した理由は、ムーヴメントの優れた機能性にある。次回はこの最新ムーヴメントの実力に迫っていきたい。(文◎堀内大輔)
2018.08.20 UPDATE