ユンハンスCEO マティアス・ストッツ氏インタビュー
JUNGHANS
ユンハンス
CEO マティアス・ストッツ氏インタビュー
「ユンハンスの象徴的なデザインと
技術を融合した時計です」
2018年9月、ユンハンスは新作の電波ウオッチシリーズ“メガ”を発表した。同社の新たな核となる新作のローンチにあたって、この分野において市場をリードし高い普及率を誇る日本へ、同社のマティアス・ストッツCEO自らがPRで訪れた。
「ユンハンスは、1990年に世界初の電波ウオッチを発表して以来、この分野におけるリーディングカンパニーとして開発に力を入れてきました。近年ではGPSウオッチも増えましたが、電波ウオッチのほうが消費電力が少なく、また安く販売できるなど、まだまだ優位点は多くあります。今回、従来の電波時計よりも薄型化できる技術が確立できたために、新シリーズのメガを製作するに至りました」
——— 新シリーズのメガを発表するにあたり新ムーヴメントを開発されましたが、これはどういった特徴があるのですか。
「とにかく時刻の正確性を追求しました。自動受信は夜中に1回、1日に1440回(1分に1回)針の自動調整を行います。また秒針の運針を0.5秒刻みにすることで、いっそう正確性を追求しています。基地局がある日本は、スマートフォンやテレビに表示される時間よりも、実はこの電波ウオッチで表示される時刻のほうが正確なんです。さらに付加機能として世界のタイムゾーンにも対応できるようリューズ操作によって時差調整が行える機能も追加しています。リューズ2段引きの状態で1時間ごと、1段引きの状態で15分や30分刻みの時差調整が可能です。調整を行なっている間にも内部のカウントは正確に行っているので、精度を失うことはありません」
——— 開発でとくに難しかったことはなんですか。
「機能操作をリューズで行えるようにした点ですね。ベースとなっているマックス・ビル バイ ユンハンスやマイスターはミニマルな意匠が特徴であり、また大きな魅力でもあります。このデザイン性を損なうことなく、機能を追加し、かつユーザビリティーの高いものを提供するためには、リューズによるシンプルな操作を実現することが絶対条件だったのです」
——— 新作と合わせてアプリケーションも開発されていますが、これはどういったものなのでしょう。
「今後、当社の電波ウオッチをよりグローバルに展開していくことを想定して開発しました。ご存じのように、電波ウオッチは基地局が発する電波が届くエリア内でその実力を最大限発揮します。新開発のムーヴメントでは電波の受信エリア外でも年差8秒以内という精度を実現していますが、やはりエリア外での需要はそれほど高くありません。これに加えて、電波が届かないエリアへ旅行などで行った際にも、このアプリを介して現地のタイムゾーンへと簡単に切り替えられるようにし、GPSウオッチに劣らない利便性を与えました」
ユンハンスが次代の柱として投入したメガシリーズは、すでに日本での取り扱いが開始されている。ぜひ直接手にとってその利便性の高さと体験してもらいたい。
(取材・文:堀内大輔/写真◎笠井 修)
2018.11.16 UPDATE