ユンハンス バウハウス100周年記念モデル フォームA
JUNGHANS
ユンハンス
バウハウス創立100周年のアニバサリーイヤーで大きな賑わいを見せる2019年のドイツ時計界。
もちろん、バウハウスウオッチとも呼ぶべき“マックス・ビル バイ ユンハンス”コレクションを展開するユンハンスからも次々とアニバーサリーモデルが発表されている。今回はそのひとつで、8月に発売を控える“バウハウス100周年記念 フォームA”を紹介したい。
ヨハネス・イッテンが唱えた
色彩論に基づく色相を採用
初期のバウハウスで教鞭を執ったヨハネス・イッテンという人物をご存じだろうか。
1888年にスイスで生まれたイッテンは、当初、初等・中等教育の教職にあったが、次第に芸術の分野へと傾倒。そして1919年にバウハウスの創立者であるヴァルター・グロピウスの招聘を受け、同校の予備課程を担当した人物である。
当時、バウハウスではデザインの究極形として建築をカリキュラムの最終目標に置いたが、そこに至るまでに、半年の予備課程と3年間の工房過程を設けていた。イッテンはこの予備課程において、徹底した素材研究やデッサン教育を通じて造形の基本を教育したのだ。
そんなヨハネス・イッテンが後年に記した著書『色彩の芸術』(1961年)のなかで提唱しているのが、絵具の三原色である赤・黄・青の混色に基づいた12色相環上の位置関係での調和を示した、色彩調和論である。
イッテンが唱えたこの12色相環をデザインに落とし込んだのが、今回取り上げる“バウハウス100周年記念 フォームA”なのだ。
ベースとなっているのは、シンプルなデザインながらも文字盤の中央に向かってわずかに傾斜を付けることで奥行き感をプラスした、自動巻き3針モデルのフォームA。記念モデルでは12のアワーインデックスに12色相環を配色したほか、もともと少なかった表示をさらにそぎ落として色相が強調された。
先行して発売されたマックス・ビル バイ ユンハンスの100周年記念モデル(過去記事はこちら)のシックな雰囲気もよかったが、このフォームA 100周年記念モデルのポップな雰囲気もまたいい。
1000本の限定生産なので、またも(マックス・ビル バイ ユンハンスの100周年記念モデルも1000本限定ですでに完売)激しい争奪戦となりそうだ。
INFORMATION
(文◎堀内大輔)
2019.06.03 UPDATE