グラスヒュッテ・オリジナルの2019年新作を見てきた。
グラスヒュッテ・オリジナルの2019年新作が一部入荷したとのことで、早速実機を拝見させていただいた。
今回見せていただいたのは、レッドゴールドケース×ディープブルー文字盤のパノと、往年のクロノメーターに範を取ったセネタ・クロノメーター、そしてすでに4月より発売が開始されているシックスティーズの2019年モデル。
このなかでも特に筆者の印象に残ったのが、これまでタイミングを逃し、初見となったシックスティーズだ。
2018年のグリーングラデーション文字盤に続き、19年の限定生産モデルとして登場したファイアリーオレンジ文字盤については、以前本サイトでも取り上げている。
しかし、実物は思っていた以上にシックな雰囲気で格好良かったのである。
公式画像を見た限り明るい色味を想像していたのだが、実際には全体的なトーンがもっと控え目で、色が濃くなっていく文字盤外周部はオレンジというよりかブラウンに近い。そのためジャケットスタイルに合わせてみても意外としっくりときたのだ。ブルー文字盤が定番化した昨今において、この位の色の主張であればビジネスシーンでも許容範囲だろう。
またケース径はパノラマデイトモデルが42㎜、なしが39㎜と標準的だが、文字盤のグラデーション効果によるものか、実際のサイズよりもかなり小振りにも見える。
加えて注目してもらいたいのが、ケース裏側の構造だ。
ご覧のようにシックスティーズでは、最も高さが必要となるローター部分に合わせて傾斜を付けたサファイアクリスタルを採用することで、ミドルケース自体の厚みをかなり抑えているのである。そのため、全体の厚みは9.4㎜あるが、着用した際には3分の2程度の厚みにしか感じない。つまり実質的なスリム化を実現しているわけだ。
シックスティーズは決して目を引くだけの奇抜なファッションウオッチなどではない。さりげなく個性を主張しつつも、装着感や美観もしっかりと考えられた高級時計なのである。
(文◎堀内大輔)
2019.06.07 UPDATE