【実機レビュー】1969年の潜水時計を完全復刻。グラスヒュッテ・オリジナルのレトロダイバーズ!
GLASHÜTTE ORIGINAL
グラスヒュッテ・オリジナル
【実機レビュー】1969年の潜水時計を完全復刻。
グラスヒュッテ・オリジナルのレトロダイバーズ!
50年振りに復活した本格派ダイバーズウオッチ
2月22日に公開したレビュー記事では、グラスヒュッテ・オリジナルのセブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイトの限定バージョンについてお届けしたが、今回は1969年の潜水時計を完全復刻して話題を呼んだSeaQ(シーキュー)の実機が借りられたので紹介したい。
このSeaQだが、グラスヒュッテ・オリジナルとしては2019年に展開が始まった、5番目の新コレクション“スペシャリスト”の第1弾モデルとしてリリースされたものだ。第2次世界大戦後のドイツ民主共和国、言わば共産政権時代の当時の国営企業だったGUB(グラスヒュッテ国営時計会社)で1969年に作られたという、当時のダイバーズウオッチを復刻させたものなのである。しかも、グラスヒュッテ・オリジナルとしては初の本格的なダイバーズウオッチだ。
掲載した当時のオリジナルの写真を見ると、いかに忠実に再現しているかがおわかりいただけるのではないか。ケースのサイズこそ3㎜ほどオリジナルよりも大きいが、だからと言ってありがちな40mmオーバーの大振りサイズというわけでもないため、適度な存在感がプラスされて逆にいい雰囲気に仕上がっている。
また、ダイバーズウオッチとしての性能ももちろん本格仕様だ。国際規格ISO6425はもちろんのこと、ドイツ工業規格DIN8306にも準拠し、耐水性、視認性、耐衝撃性、そして耐塩水性といった数多くのテストに合格。防水能力も20気圧防水(200m相当)を備えるなど、まさに本格派ダイバーズウオッチといえる実力を備える。
実際に着けてみました
先にも述べたが、ケースは当時のオリジナルよりも3mm大きい39.5mm径が採用された。昨今のダイバーズウオッチのほとんどが40mm以上の大振りサイズであることを考えると、小さすぎず大きすぎない、スポーツ系モデルとしては絶妙なサイズと言える。
加えて12.15mmというケース厚も見逃せないポイント。機械式のダイバーズウオッチとなると厚さは14mm前後ということが多い。その中にあってこの薄さはSeaQの大きな魅力と言っていいだろう。リューズも大きくねじ込みもスムーズで操作しやすい。作りの良さも感じた。
【レトロ感を強調する色合い】極太のインデックスにペンシル針が時代を感じさせるうえに、それらに採用された“オールド・ラジウム”と呼ばれるベージュのスーパールミノバの色合いもグッとレトロ感を強調している
【耐傷性が高いセラミックを使用】当時の雰囲気にこだわっているとはいえ、傷を付けやすいベゼルのインサートには、セラミック素材を使用している。またサファイアクリスタルのドーム形風防のカーブも程よい感じだ
今回取り上げたベーシックなモデル以外に、大きな日付け表示が付きより実用的な仕様のSeaQパノラマデイトと、時分針と秒針にもグリーンのスーパールミノバを採用した限定バージョンのSeaQ 1969の全3種類がラインナップしている。
■Ref.1-39-11-06-80-34(合成ベルト)。112万2000円。Ref.1-39-11-06-80-70(ブレスレット)。123万2000円。ともにSS(39.5mm径)。20気圧防水。自動巻き(Cal.39-11)
文◎堀内大輔(編集部)/時計イメージ写真◎笠井 修
2020.04.03 UPDATE