今年も登場。マックス・ビル バイ ユンハンスの限定エディション
JUNGHANS
ユンハンス
バリエーション15をモチーフにした
2019年の限定エディション
1956年からユンハンスがコラボレーションを行っている芸術家マックス・ビルへのオマージュとして、2017年より展開されている“マックス・ビル バイ ユンハンス エディション セット”が、2019年も限定222セットで発売される。
セットになっている腕時計とテーブルクロックは、彼の創作分野である構成主義絵画とミニマリズムの製品デザインを結び合わせて生まれたものであり、これ以上ないほど明晰なコンセプトで表現されたタイムピースだ。
セットの腕時計は、マックス・ビル自身が1961年に設計したものを忠実に再現。マット仕上げのホワイト文字盤は、“形態は機能に順ずる”というマックス・ビルのコンセプト通り判読性を追求した意匠が特徴だ。控えめな色彩の文字盤がはっきりコントラストをなしているのは、ルミナス加工を施した針、そして数字、カーフレザーベルトなどすべてが質素なブラックカラーに統一されているからである。
一見、レギュラーモデルのマックス・ビル クロノスコープにも似たデザインだが、実は随所に手が加えられ、限定モデルならでは特別感が演出されているところも見逃せないポイントである。そのひとつがレギュラー機よりもひと回り大きい文字盤のアラビアインデックスを採用している点。これにより文字盤のコントラストがいっそう際立てられているとともに、存在感も高められた。
そしてもうひとつ、風防がサファイアクリスタルにアップグレードされた点で、耐久性がいっそう高まった。またカーフストラップも肉厚なタイプが採用されている。見た目にも従来のクロノスコープにはないタフな印象がプラスされているというわけだ。
そしてマックス・ビルの象徴的な文字盤デザインが与えられたテーブルクロックは、ブラックのピアノラッカー塗り木製ケースに収められたスタイリッシュな仕上がりである。実は、このテーブルクロックも機械式であり、8日間のパワーリザーブを持つ手巻きキャリバーJ915.1を搭載。ユンハンスと同じブラックフォレスト(黒い森)で設立されたキニンガー社製ムーヴメントをベースに使い、組み立てはすべてシュランベルクの工場で行われている。もちろん腕時計同様にデザイン性に優れ、おしゃれなインテリアとしても活躍してくれるだろう。
いずれの時計にもケースバックにはマックス・ビルのサインととも、発想の母体となる一つのテーマ(原図)をもとに「連続」「展開」「発展」のキーワードから15のバリエーションを展開した彼のシリーズ作品“一つのテーマに対する15のバリエーション”の“バリエーション 15”が記される。なお、この“バリエーション 15”について彼は、幾何学的な基本主題をもとに「サーキュラーリングからなる渦巻きのような運動」と説明している。
リリース予定は7月ともう少し先だが、非常に人気の高い限定エディションのため、昨年も即完売してしまうなど入手が困難。早めに目につけておくといいだろう。
INFORMATION
(文◎堀内大輔)
2019.04.19 UPDATE