ドイツ時計の魅力を再考する<モリッツ・グロスマン>
MORITZ GROSSMANN
モリッツ・グロスマン
小径/薄型ムーヴメントを搭載した2針の傑作
2015年に発表されたテフヌートは、モリッツ・グロスマン初となる小径・薄型ムーヴメントを搭載した2針ウオッチコレクションである。現在ではスチール仕様となったテフヌート・ピュアや16年発表のテヌフート36など、ファミリーを拡大しているが、当初はメンズのテフヌートで2タイプ、レディースのテフヌート・レディーで4タイプが発表された。
シルバー無垢のシックな文字盤に、腕に沿うスリムなケース、そして洗練された印象を強調するシャープなリーフ針など、丁寧に作り込まれたディテールは、繊細と言うより、気品の高さを強く印象付ける。
搭載しているCal.102.0は、発表時点までで最も小さく薄いムーヴメントであったが、質量ネジ、調整ネジ付きの耐震グロスマン製テンプ、テンプ受け左の四角いネジを回すことでボールネジが回転、その上に固定された台座にある緩急針を動かすマイクロメトリックスクリュー緩急調整機構、そして支柱で輪列を受けるプレートを支える構造など、従来のムーヴメントと同じく堅牢な設計を持つ。なお、真っすぐにカットされた5分の3プレートは、脱進機周りを覆い隠さずに見せることと整備性を考慮してのものだと言う。
テフヌート、テフヌート・レディーともに同じムーヴメントを搭載するが、レディースウオッチにおいても、モリッツ・グロスマンの堅牢重視の製品哲学は揺らぐことはない。
2018.06.21 UPDATE