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洗練を極めるモリッツ・グロスマン東京ブティック

 

MORITZ GROSSMANN

モリッツ・グロスマン

 

必然の出会いによって生まれた
洗練を極める東京ブティック


 

ブランドの日本デビューに合わせて2015年2月にオープンしたモリッツ・グロスマン ブティック。世界に先駆けたブティック第1号店となった東京ブティックは、卓越した仕上げと目に見えない部分まで作り込むモリッツ・グロスマンの時計の魅力を見事に体現している。

 
モリッツ・グロスマンブティック01

高い天井が圧倒的な開放感を生み、居心地の良い空間を作り出す。シックな雰囲気の床材は木の表層を炭化させて色味を出したこだわりの素材で、贅沢にフロア全体を覆う。心地の良いくつろぎの空間のなかで、ベヌー・トゥールビヨンをはじめ、モリッツ・グロスマンのフルラインナップをじっくりと見ることができる

 
東京ブティックがあるのは、文京区小石川。播磨坂(はりまざか)沿いの閑静な住宅街の一角にそれはある。高級時計ブランドのブティックというと銀座が中心だが、なぜ小石川だったのか。モリッツ・グロスマン・ジャパンのCEO、工藤光一氏は次のように語る。
 
「高級時計を扱うのに狭くて落ち着かない空間にはしたくなかった。開放感があって、くつろげる居心地の良い空間。それがブティック出店の絶対条件でした」
 
 定石に従い銀座周辺でも探したと言うが、紹介される物件は条件とはかけ離れたものばかり。そこで工藤氏も自ら物件を探し、出合ったのが元印刷工場というこの場所だった。入り口の高さは3・5m、中に足を踏み入れると2階まで吹き抜けとなった7mという圧倒的な天井高。ここなら理想の空間が作れる、とすぐに契約。2014年8月のことだった。
「この場所を見て、インダストリアルでラグジュアリーな空間にしようと決めました。従来の高級時計ブティックとは異なる規格外の空間が職人さんをやる気にさせたようで、おかげで独特の世界観を感じられる空間ができたと満足しています」
 
 ブティックを訪れると、細部までこだわっているのがよくわかる。まずグリーンウォールとグリッドのファサード。通り沿いからは重厚な印象だが、店内側から見える風景は借景のような効果を見せ、開放感の演出にひと役買っている。白いレンガと漆喰の壁、黒い木の床と換気ダクトによるコントラストが効いた店内は、まさにコンセプト通りの印象だ。
 
 居心地が良いのは天井高の開放感だけが理由ではない。白い壁や換気ダクトをはじめ、置かれているテーブルなどすべてにエイジングが施されたことで固い印象が和らぎ、落ち着いた雰囲気を作り出している。
 
 細部の仕上げにこだわり、目には見えないくつろぎを生み出す空間演出。それはモリッツ・グロスマンの時計に通じるものがある。そして、東京ブティックの居心地の良さは、同社の時計が持つ魅力と同じく、百聞は一見にしかず、である。
 
 
モリッツ・グロスマンブティック02

ドイツ・ハイデルベルグ社製活版印刷機、プラテンT型。ブティックのシンボルになるようにと置かれている。ちゃんとレストアされているため、実動も可能

 
モリッツ・グロスマンブティック03

背後のスピーカーはライプツィヒのメーカー、そして手前のオープンリールデッキはスイスのスチューダー社製。一部にスイスのものを置くというのもこだわり

 
モリッツ・グロスマンブティック04

本国から取り寄せたケースのほか、特注ケース(写真)も置く。その上に見えるのは、エリック・デマジエールによるフランス国立図書館旧館の閲覧室を描いた版画

 
モリッツ・グロスマンブティック05

ブティックは丸ノ内線・茗荷谷駅から徒歩15分ほどの播磨坂(はりまざか)を下った右側にある。とても重厚な佇まいながら、閑静な住宅街になじんでいて違和感を感じられないのが不思議だ

 
(取材・文◎佐藤杏輔)
 
 

モリッツ・グロスマン ブティック

〒112-0002 東京都文京区小石川4-15-9
TEL.03-5615-8185
日・月曜定休/11:00〜19:00
https://ja.grossmann-uhren.com
 

2019.04.15 UPDATE