トリプルカレンダーに次ぐ人気で品薄状態が続くヴェンペの二つの38mmモデルとは!?
WEMPE
ヴェンペ
トリプルカレンダーに次ぐ人気で品薄状態が続く
ヴェンペの二つの38mmモデルとは!?
140年以上の歴史をもち、欧米では老舗の超高級宝飾店としてその名を知られる“ヴェンペ(WEMPE)”。そんなヴェンペが、これまで長きにわたり高級腕時計の販売をとおして培った経験から、自らが高級時計メーカーとしてオリジナルブランドの展開をスタートさせたのが2006年のこと。わずか10年余りで自社製自動巻きムーヴメントを完成させるなど、いまやドイツを代表する高級腕時計メーカーに成長した。
そんなヴェンペのコレクションのなかで、エントリーモデルとして幅広いラインナップを展開し、特にビジネスユースとして高い人気を誇るのがツァイトマイスターシリーズである。
そして、その1番人気はトリプルカレンダーモデルなのだが、それに並んで、常に高い人気を集めているのが、38mmの小振りなモデルだ。トリプルカレンダーについては、以前の記事で見ていただくとして、ここでは38mmモデルを紹介したいと思う。
さて、ツァイトマイスターには2種類の38mmモデルがラインナップする。ひとつは、シンプルな3針タイプの最もベーシックな“オートマティック”。そしてもうひとつは1940年代にヴェンペが手がけていたドイツ空軍向け軍用時計をルーツとする“アビエイターウォッチ”である。
<ツァイトマイスター オートマティック>
飽きのこないシンプルでオーソドックスなデザインながら、立体的でかつエッジの効いた砲弾型インデックスや徹底的に鏡面に磨き上げられたシャープなドフィーヌ針、そしてメタルの縁取りがなされた6時位置のデイト表示など、デザイン的な要素が少ないぶん、ディテールの作りと完成度をいちばんに感じられるモデルと言えるだろう。
日常使いを想定した最低限の実用機能、そして無駄な装飾などを一切省いたシンプルな作りは、スタイルを選ばず着けやすく、日々のビジネスシーンに活躍するに違いない。
<ツァイトマイスター アビエイターウォッチ>
そしてオートマティック以上に全体が引き締まって見え、精悍な顔つきが印象的なアビエイターウォッチは、1940年代にヴェンペが製造し、第2次世界大戦時にドイツ空軍に納入された軍用時計、Bウーレンをルーツにもつ。大振りな剣先型時分針に太めのアラビアインデックス、そしてこれまた太めの分目盛りと、軍用時計の王道をゆく視認性を重視したデザインが採用されている。
前述のオートマティックに比べると主張の強い顔付きだが、ケースサイズが小振りなのと、もともと古典的なデザインのためカジュアルからビジネスまで幅広く使える。
そして肝心の性能面だが、搭載されている自動巻きムーヴメントは、信頼性の高さで多くのブランドが採用するETA社の2892-A2。しかしながらヴェンペは、これを一度すべて分解して、その一部のパーツを高級仕様に変更するなどして、ドイツクロノメーターの高い精度基準をクリアするクオリティレベルまで改良を加えたうえで、再度組み立てている。そのため精度の高さという点でも申し分ないのだ。
どちらも38mmという欧米人に比べて手首が細めの日本人にも適した程良いサイズ感と、デザインバランスの良さ、加えてドイツクロノメーターを取得済みの高精度な自動巻きムーヴメントでありながらも、20万円台というコストパフォーマンスの高さは大きな魅力だ。
そのためヴェンペの輸入元でありつつ百貨店などにも店舗をもつシェルマンの店頭でも欠品状態が続くほどの人気ぶりという。ただ、近々入荷の予定とのこと。興味のある方は一度問い合わせをしてみてはいかがだろうか。
(文◎菊地吉正)
2019.10.26 UPDATE