ドイツ時計の魅力を再考する<A.ランゲ&ゾーネ>
A.LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ
日常的な機能性を強調した
手巻きのアニュアルカレンダー
2017年、1815コレクションに加わった1815 アニュアルカレンダーは、“決して立ち止まらない”を信条とするA.ランゲ&ゾーネらしいモデルだ。
同社で初となる年次カレンダー機構搭載モデルは、10年に発表されたサクソニア・アニュアルカレンダーだ。本作はそれに続くアニュアルカレンダーの2作目となるのだが、実はこの間、7年もの歳月が経っている。しかし、これには理由がある。
前者は自動巻きムーヴメントとアウトサイズデイト仕様であるのに対して、後者は手巻きムーヴメントと古典的なポインターデイト仕様。
つまり、A.ランゲ&ゾーネは初作とはまったく別ものの年次カレンダー機構を新たに開発したからだ。
前者は自動巻きムーヴメントとアウトサイズデイト仕様であるのに対して、後者は手巻きムーヴメントと古典的なポインターデイト仕様。
つまり、A.ランゲ&ゾーネは初作とはまったく別ものの年次カレンダー機構を新たに開発したからだ。
また、前者は永久カレンダーから閏年を表示する機構を省略したものであるのに対し、後者は年次カレンダー専用に設計された。しかも手巻きモデルに搭載されるにふさわしい特徴を備える。
ケースサイドに曜日、月、ムーンフェイズを個別に修正する埋め込みボタンを持つのはサクソニア・アニュアルカレンダーと同じだが、1815 アニュアルカレンダーでは新たにデイト表示専用の修正ボタン(ケース9時位置)が設けられ、それぞれの表示はボタンで個別に修正できるようになっているのだ。さらに2時位置の長方形のボタンはすべて表示と連動しており、ボタンひとつでカレンダーをいっせいに進めることができるという、時計が止まった際に便利な機能が与えられた。
わざわざ専用開発というコストの掛かる方法を選択し、使い勝手を重視した本作。何とも独創的なモデルである。
2018.06.16 UPDATE