A.ランゲ&ゾーネ SIHH2019 新作
A.LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ
ブランド復興第1号コレクションを発表した1994年から25年という節目を迎えたA.ランゲ&ゾーネは、2019年、先行して発表されたランゲ1 “25th アニバーサリー”を加え、5つのニューモデルをSIHHでお披露目した。
デジタル時計の新たなスタイルを提示
ハイライトは、瞬転数字ディスクによるデジタル時刻表示機能を持った機械式モデル、ツァイトヴェルクの新作である。2009年に発表されたこのツァイトヴェルクは、見紛うことのない個性的なダイアルデザインと画期的コンセプトのもと生まれ、いくつもの賞を獲得。同社を代表するモデルのひとつとなっている。誕生から10年を経た今年、新たにデイト表示機能を組み込んだツァイトヴェルク・デイトが完成したのである。
アナログ時刻表示では一般的な機能であるデイト表示だが、実はツァイトヴェルクに、これを組み込むことは容易ではなかった。というのも、ムーヴメントに時刻表示用の大きな数字ディスクを備えたツァイトヴェルクには、すでにデイト機能を組み込むだけのスペースがなかったためだ。そこでランゲの開発陣は、ムーヴメントの構造を一から見直し、再設計。文字盤外周に配置するリング式によるデイト表示を組み込んだのである。さらにツァイトヴェルクに採用された新技術として、時表示だけを進めるボタンを4時位置に追加されている。
新たな装いになった二つのマスターピース
永久カレンダーを同載したフライバック・クロノグラフを備えたダトグラフと自動巻きのランゲマティックからは、表情が新たになったニューモデルが登場している。
前者、ダトグラフ・パーペチュアル・トゥールビヨンは、既存のブラック文字盤仕様が醸し出す精悍な雰囲気から一転、ピンクゴールドの文字盤が採用され、温かみが与えられている。なおケースはホワイトゴールドだ。
他方、ランゲマティック・パーペチュアル・ハニーゴールドは、その名が示すとおり、ハニーゴールドケースが採用されている。他の金合金よるも優れた耐久性を示すこのハニーゴールドは、ランゲが専用使用権を有し、そのなかでも厳選したモデルにのみ採用されている。
さらに、新生A.ランゲ&ゾーネ初のステップセコンド搭載モデルとして、2016年に登場したリヒャルト・ランゲ・ジャンピングセコンドにも、新バリエーションとなるブラック文字盤仕様が追加されている。同シリーズのデザインコンセプトである“科学的観測に用いられた計器”らしい雰囲気が強調され、精悍な表情が大きな魅力である。
これらに加え、先行して発表されたランゲ1 “25th アニバーサリー”がある。ブルーとシルバーのカラーリングで洗練された雰囲気を醸し出した本作は250本限定で、4月から発売される予定だ。
ちなみにランゲは、本作を“25th アニバーサリーシリーズ”の第1弾と銘打っている。つまり、第2弾、3弾と続く可能性を高いというわけだ。こちらの動向にも注目したい。
(文◎堀内大輔)
2019.01.14 UPDATE