ランゲ新作と名作クロノグラフが日本橋三越に集結
A.LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ
機械式クロノグラフの最高峰と称される
“1815クロノグラフ”
国内最大級の時計の祭典「三越ワールドウオッチフェア」が8月15日(水)より東京・日本橋三越本店でいよいよ開催される。
2018年は“時の伝道”をテーマに約60ものブランドが参加。ドイツ時計界からもA.ランゲ&ゾーネを筆頭に、ラング&ハイネ、ヴェンペ、グラスヒュッテ・オリジナル、モリッツ・グロスマン、ユンハンスなどが参加し、錚々たる顔ぶれだ。
フェア期間中、A.ランゲ&ゾーネのブースには、SIHH2018で発表された新作モデルをはじめ、通常は滅多に見ることができないコンプリケーションモデルまで一堂に会する。さらに今回、ランゲでは、“クロノグラフ”をテーマに同社のクロノグラフの歴史とともに、貴重なアーカイブモデルの展示も行われる。
注目はジュネーブサロンで最も大きな話題を集めた、12時間のラップタイム計測が行える大作トリプルスプリット。これはもちろんだが、他方、人気の高い1815クロノグラグに新たにラインナップしたピンクゴールドケース仕様の新作も気になっている人は多いのではなかろうか。
前者については、以前本社の時計師インタビュー(過去記事)とともに魅力を解説させていただいたため、今回は後者、1815クロノグラフの特徴と魅力をお伝えしたい。
往年のランゲ製懐中時計を彷彿とさせる伝統的な意匠を踏襲した1815コレクション(1995年初出)に、クロノグラフモデルが追加されたのは2004年(写真)。30分積算計とスモールセコンドを備えた古典的な2カウンター仕様でありながらも、カウンターを中心よりやや下に配置し、デザインにも個性が与えられた。またスケールは、一般的なタキメーターではなく、脈拍を測るパルスメーターが与えられた、通称“ドクターズクロノ”であったことも特徴。搭載していたのは、当時ダトグラフ(1999年初出)が採用したムーヴメントCal.L951.1からデイト表示を省略した手巻きクロノグラフCal.L951.0である。なお、このCal.L951.1で、ランゲが“機械式クロノグラフの最高峰”という名声を得たことをご存じの人も多いだろう。
フライバック機能に加え、世界初のプレシジョン・ジャンピング・ミニッツカウンター(簡単に言うとステップ運針の積算計)も装備したL951.1が、その優れた機能性以上に注目されたのが、“美観”つまり見た目の美しさであった。
パーツが複雑に絡み合うクロノグラフムーヴメントはそれだけでも十分に見応えはあるが、パーツ一つひとつに入念に磨きをかけるランゲのムーヴメントはいっそう美しい。さらに、クロノグラフの動力伝達方式に、当時主流であった垂直クラッチではなく、70年以前に主流だった古典的な水平クラッチを用いた点も特筆だ。垂直クラッチと水平クラッチはそれぞれ一長一短があるが、後者のほうが比較的耐久性が高く、見た目にもより機械的な造形が強調される。おそらくが、ランゲの技術陣は、この美観部分を開発の初期段階から強く意識し、後者を選択したのではないか。
また水平クラッチを選択したことによる恩恵はほかにもある。水平、つまり横に広がる構造となっており、厚みもも抑えることができるのだ。そのため、L951系搭載のクロノグラフモデルは、比較的薄く、快適な装着感も実現しているのだ。
古典的なデザインに加え、手の込んだ仕上げを施したムーヴメントを備えた1815クロノグラフは、1970年代以降、スポーツモデルという印象が強くなっていたクロノグラフに、高級機としての価値を再び与えたのである。
2018年に発表された1815クロノグラフは、この系譜に連なる最新作で、現行のラインナップにはなかったピンクゴールドケース仕様である。さらに文字盤もパルスメーター付きの初代機の意匠を採用。クラシカルかつ気品あふれる雰囲気となっており、ドレス系の高級クロノグラフの筆頭と言えるだろう。三越ワールドウオッチフェアで、ぜひ直接実機をチェックしてもらいたい。
(文◎堀内大輔)
「第21回 三越ワールドウオッチフェア」
■開催期間/2018年8月15日(水)〜8月27日(月)
■会場/日本橋三越本店 本館7階催物会場 東京都中央区日本橋室町1-4-1
■開催時間/10:00 〜 19:00 ※最終日(27日)は18:00閉場
■問い合わせ先/日本橋三越本店 時計サロン TEL.03-3241-3311(大代表)
<三越ワールドウオッチフェア特設サイト>
2018.08.14 UPDATE