• facebook
  • twitter
  • instagram
HOME > SPECIAL > 特別連載 「時計産業の聖地を作り上げた名門ランゲ一族の系譜を辿る」①

特別連載 「時計産業の聖地を作り上げた名門ランゲ一族の系譜を辿る」①

 

特別連載 「時計産業の聖地を作り上げた
名門ランゲ一族の系譜を辿る」

 
第1回

ドイツ時計産業の聖地へと発展した街

 


 

 
 ドイツ東部に位置するエルツ山地に囲まれた街、グラスヒュッテ。
 今日ドイツを代表する一大時計産地であり、時計好きな人ならば一度は耳にしたことのあるこの“グラスヒュッテ”が、実は人口約6700人(2017年時点)、数十分あれば市街地を歩き周れてしまうほどの小さな街だと聞いて驚かれる人は多いのではなかろうか。
 

 
 しかしながら、この小さな街に10以上もの時計メーカーが点在し、なんと時計産業に従事しているのは人口の約6割にも達すると言う。地場産業として地域の生活を支える、正真正銘の“時計の街”なのである。
 

かつて銀鉱山だったことを表すハンマーと時計産業を表す日時計が表現された街の紋章もいたるところで目にすることができる

 
 街の中心部である駅周辺だけでもA.ランゲ&ゾーネ、ノモス グラスヒュッテ、グラスヒュッテ・オリジナル、モリッツ・グロスマン、そしてチュチマ グラスヒュッテと、ドイツ時計界を代表するメーカーの本社が建ち並ぶ様は圧巻だ。
 

A.ランゲ&ゾーネの旧社屋

2015年に完成したA.ランゲ&ゾーネの新社屋

 

グラスヒュッテ駅前交差点からの風景

 

 
 そこから東へと延びるハウプト通りを少し進むと見えてくるのが、かつてドイツ時計学校の校舎で、現在はドイツ時計博物館となっている建物。そして通りを挟んだ向かいにある建物にも注目してもらいたい。現在はノモスのショップとなっているこの建物は、実は1845年にフェルディナント・アドルフ・ランゲが最初に開業した時計工房を改装したものなのである。
 

グラスヒュッテ駅前交差点からの風景

 

 
 主要時計メーカーの製造拠点が密集し、かつ歴史的な建物も多く残るグラスヒュッテ。ドイツ時計好きにとってはいつかは訪れてみたい憧れの場所であろう。 
 

 
 今日、ドイツ時計界の聖地と呼ばれるまでに発展したグラスヒュッテ。
 この街をここまで発展させた最大の功労者は、改めて言うまでもなく、A.ランゲ&ゾーネの創業者であるフェルディナント・アドルフ・ランゲとその一族だ。
 次回からはこのランゲ一族にスポットを当て、どのように街の発展に寄与したのか、その功績ともに振り返っていきたい。
 

200周年記念動画


 
【第2回へ続く】
 
協力◎A.ランゲ&ゾーネ
www.alange-soehne.com/ja
 
 
 

2019.07.31 UPDATE