【A.ランゲ&ゾーネ|2021年新作第2弾】角形の傑作、カバレットを含む3モデルを発表
A.LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ
去る7月13日、A.ランゲ&ゾーネが2021年の新作第2弾を発表。その最新情報をお届けしよう。
【A.ランゲ&ゾーネの新作第1弾を見る】
NEW MODEL 01
カバレット・トゥールビヨン“ハンドヴェルクスクンスト”
今回、A.ランゲゾーネは、3型全4モデルの新作を発表したが、なかでも個人的に気になった本作から紹介していきたい。
カバレットは同社初の角形モデルとして1997年に初作が発表された。モデル名は日本語では“キャバレー”を意味する“Cabaret”が語源。日本でキャバレーと聞くとナイトクラブ的なイメージが定着しているが、実はドイツ語圏においてはニュアンスが異なり、芸術・文学的なショーを観劇する場所を指している。ランゲの象徴的な機構であるアウトサイズデイトの原型となった五分時計が設置された、ゼンパー歌劇場のような場所がドイツでいうキャバレーだ。
今回発表された新作は、そんなカバレットをベースに、ランゲ最高峰の職人技術が駆使された“ハンドヴェルクスクンスト”として、さらに芸術性を追求したモデルとなっている。
とりわけ文字盤の手の込んだ造形は必見である。ホワイトゴールド製の文字盤は手彫りによる規則的なダイヤモンド模様がエングレービングされ、その表面に半透明のエナメル層をコーティング。これによりエングレービングに深みを与え、メタリックグレーの様々な色合いを表現している。そのため本作の文字盤は立体感かつ極めて独創的に仕上がっている。
心臓部であるムーヴメントの審美性も非常に高い。搭載しているCal.L042.1は世界初となるストップセコンド機構付きのトゥールビヨンムーヴメントであり、パワーリザーブも約120時間を誇る。トゥールビヨンと中間車の受け、そして表面に粒状感を持たせた受け部品に見えるダイヤモンド模様のハンドエングレービングに施したブラックロディウム仕上げが、このモデルだけの特徴だ。
NEW MODEL 02
ランゲマティック・パーペチュアル
続いて紹介するのは、今年誕生から20周年を迎え、そのアニバーサリーモデルとなるランゲマティック・パーペチュアルの限定エディション。
特筆は永久カレンダー、アウトサイズデイト表示、ゼロリセット機能と複雑なメカニズムで構成された自動巻きモデルでありながら、38.5mm径という小振りなケースに納められた点であろう。加えて厚みも10.2mmに留められており、良好な装着感を実現した実用コンプリケーションだ。フルーティング模様を型押しした深いブルーの文字盤が、ホワイトゴールドまたはピンクゴールドケースを組み合わせた2モデルが展開される。
NEW MODEL 03
サクソニア・フラッハ
今年4月に発表されたリトル・ランゲ1・ムーンフェイズに続いて、神秘的なゴールドストーン文字盤が与えられた優美な時計が今回も発表されている。
ベースとなっているは、ケース厚6.2mmを実現した薄型モデルのサクソニア・フラッハだ。シルバー無垢製の文字盤にブルーのゴールドストーン層を重ねることで、微細なコッパーカラーの粒が光を反射してきらめく、魅惑的な表情に仕上がっている。
文◎堀内大輔
2021.07.19 UPDATE