ランゲ1のアニバーサリーエディション第4弾
A.LANGE & SÖHNE
A.ランゲ&ゾーネ
ランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダーは、ひと目でランゲ1と分かるデザインを維持しつつ、永久カレンダーとトゥールビヨンを優美かつさりげなく統合したモデルである。A.ランゲ&ゾーネは、ファミリーのなかでも、最も複雑なこのモデルをベースにしたアニバーサリーモデルの第4弾を発表した。
2012年に初披露されたランゲ1・トゥールビヨン・パーペチュアルカレンダーで最重要課題として挙げられたのが、画期的なランゲ1の文字盤デザインを維持することであった。そこで永久カレンダーをランゲ1の文字盤に統合するために考え出されたのが、月表示を文字盤外周を回転するリングで実現するというアイディアだ。
この回転式月表示リング(①)は、下の面に12個の凹みが刻み込まれている。1本のレバー(②)がこの面の上をスライドしてゆき、それぞれの凹みの深さをトレースする。凹みが深いほど、その月の日数は短くなり、それに合わせて月の表示が先に進む。そして2月には、このレバーについているもう1本のアーム(③)が、同時にうるう年表示(⑤)の下にあるカムを押さえた状態になっている。その時にカムの半径が大きい方の位置にアームがあたっていると、29日が過ぎてから表示が3月に変わり(うるう年)、カムの半径が小さい方の位置にあたっている場合には、2月28日で表示が先に進む仕組みだ。またカレンダー表示がすべて瞬転式という点も特筆である。
自動巻きのこのモデルではパワーリザーブ表示に代えてレトログラード式曜日表示が組み込まれ、うるう年は6時位置にある小さな窓に表示される。スモールセコンド用サブダイアルに設けられた小さな開口部には、誤差が122.6年で1日という高精度のムーンフェイズ表示も搭載している。このように文字盤レイアウトを合理的に配置したことにより、カレンダー情報のすべてをひと目で読み取ることができるのだ。
さらに12時位置にプリントされた文字が、この時計がもうひとつの複雑機構を搭載していることを示している。それは、ムーヴメント側からしか見ることのできない、69個の部品からなる特許技術ストップセコンド機能搭載トゥールビヨンだ。このトゥールビヨンは、精緻な回転キャリッジが1分間に1回転することにより、自社で開発した偏心錘付きテンプに与える重力の影響を補正している。
またストップセコンド機構は、リューズを引き出せばトゥールビヨンのキャリッジ内にあるテンプをいつでも瞬時に停止させ、時計の時刻を秒単位で正確に合わせることを可能にした。
搭載している自動巻きキャリバーL082.1を効率よく巻き上げるのは、外側にプラチナ製の分銅が取り付けられた重いセンターローターである。このローターの内側の“A.Lange & Söhne”のロゴが刻印されている部分は21金製で、ムーヴメントを構成する部品総数は624個におよぶ。そのなかでも、トゥールビヨンキャリッジ上側のブラックポリッシュ仕上げやトゥールビヨンを受けるダイヤモンド受け石は、ランゲウオッチならではの品質の証しとも言える。
この第4弾モデルでも“25th アニバーサリー”エディションの共通の特徴であるシルバーカラーの文字盤に配したブルーのエレメントがあしらわられており、この柔らかな色合いが気品を感じさせる。さらに青焼きしたスチール製針、アウトサイズデイトの数字を含めたすべての文字、さらにはアリゲーターベルトをブルーで統一することで全体の調和が図られた。
INFORMATION
アニバーサリーモデル第1弾 ランゲ1 “25th アニバーサリー”
アニバーサリーモデル第2弾 グランド・ランゲ1・ムーンフェイズ
アニバーサリーモデル第3弾 リトル・ランゲ1 “25th アニバーサリー”
2019.04.24 UPDATE