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愛好家の琴線に触れるシャウボーグウォッチ

 
 

SCHAUMBURG WATCH

シャウボーグウォッチ

 

機械式腕時計への愛情と
豊かな発想が生むタイムピース

 
 ドイツの時計ブランドのなかでも特にその独自性が光るシャウボーグウォッチは、ドイツ北西部に位置するニーダーザクセン州のシャウムブルク地方にある小さな街リンテルンに、半導体の分野で成功を収めた実業家であり同時に熱狂的な機械式愛好家でもあるフランク・ディルバコフスキー氏によって1998年に設立された。
 
シャウボーグウォッチのアトリエ

人口わずか2万8000人ほどの小さな街であるリンテルン。何世紀も続く古い建造物が立ち並ぶメインストリートの一角にシャウボーグウォッチのアトリエはある

 
 まさにこの出自がブランド躍進の原動力ともなっていると言ってもいいだろう。同社の経営方針の根幹にあるのは、“愛好家視点に立ったモノ作り”であり、ユーザーが求める勘所をしっかりと押さえつつ採算にもあまりこだわらない。腕時計としての完成度の高さを追求する一方で、良心的な価格を提示することをモットーとしているのだ。
 大量生産でコストダウンを図るメーカーの多い時計業界のなかで、シャウボーグウォッチの時計はすべての工程が熟練職人の手作業で丁寧に仕上げられている。それゆえ年間1500本程しか製作されないが、これが希少性という付加価値を生み、ファン心理をさらに刺激していることも確かだ。ブランドの歴史こそ古くないが、卓越したクラフトマンシップと時計愛好家としての優れた感性が融合した同社のコレクションへの評価が高い理由には、こうしたユーザー本位の経営理念が深く関わっているのだろう。
 
 こうしたモノ作りに対しての真摯な姿勢は、まさしくドイツ時計の哲学が息づくが、一方で独自性の光る意匠もシャウボーグウォッチの特徴である。豊かな発想から生まれる個性ある意匠はほかのドイツ時計と一線を画し、唯一無二の魅力を醸し出している。
 

 そんなシャウボーグウォッチのコレクションでまず目を引くのが、“スチームパンク”である。
 小説家ジュール・ヴェルヌに代表されるスチームパンクの世界観を、熟練職人のハンドメイド仕上げで表現した本作。ステンレススチール製のケースは、着色ではなく、300度のオーブンで加熱することによって世界にひとつだけの独特な色味を出し、さらに褐色化加工を施して仕上げている。また文字盤だけなくムーヴメントなどにも、錆びた金属や歯車、油臭い蒸気機関などといったスチームパンクを連想させるヴィンテージ加工を施し、その世界観を見事に表現している。
スチームパンク
スチームパンク
SS(42㎜径、ヴィンテージ加工)。5気圧防水。手巻き(Cal.SW-07)。31万8600円

 
スチームパンクサブ

ケースだけでなく、ムーヴメントの歯車なども加熱し、独特の色を表現している

 
 

 “世界観”をウオッチデザインとして表現したモデルとして、もうひとつ見逃せないのが“グランドパーペチュアルムーン メテオライト”だろう。43㎜のケース径に対して、13.4㎜径という大きなムーンフェイズ表示を持った同作では、ムーンディスクは実際の月を転写しリアルさが追求されたほか、文字盤にはナミビアで採取されたメテオライト(隕石)を用いて、“神秘的な宇宙世界”を表現。ロマンあふれるタイムピースに仕上がっている。
グランドパーペチュアルムーン メテオライト
グランドパーペチュアルムーン メテオライト
SS(43㎜径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.SW-11)。88万5600円

 
グランドパーペチュアルムーン メテオライトサブ

ムーンディスクには夜光が塗布され、暗所でも抜群の存在感を示す。文字盤には希少なメテオライトを使用

 
 
 他方、シャウボーグウォッチでは、“伝統”も重んじており、クラシックな要素を取り込んだタイムピースも数多く展開している。
 2018年に発表された“ウニカトリム クラシックマスター”は、ムーヴメントのブリッジや歯車などに伝統の彫金技術を施したモデルだ。熟練職人の精緻な手作業によって仕上げられた本作は、芸術作品のような魅力を備える。また、1930年代に流行したエレガントな意匠を踏襲し、かつモデファイしたオールドムーヴメントを搭載した“クラソコ1930”など、機械式愛好家垂涎の限定モデルなども展開されている。
 
グランドパーペチュアルムーン メテオライト

(左)ウニカトリム クラシックマスター。SS(42㎜径)。5気圧防水。手巻き(Cal.SW-07)。予価37万8000円。(右)クラソコ1930。SS(42×30㎜サイズ)。3気圧防水。手巻き(モデファイしたCal.Peseux7040)。31万8600円

 
 創業者フランク・ディルバコフスキー氏のこだわりが随所に光るシャウボーグウォッチは、自身も機械式愛好家でもあるからこその勘所を押さえた作りで“ドイツ時計の隠れた逸品”として高い評価を得ているのだ。
(文◎堀内大輔)
 

問い合わせ:ユーロパッション TEL.03-5295-0411 
www.europassion.co.jp/schaumburg/

 

2018.12.17 UPDATE

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