ドイツ時計 実機でインプレッション【4回】
![ヴァイスヴァーサのイメージ](http://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/12/TN01-01.jpg)
この手作り感がニンクリッツ最大の
魅力でありほかにない味だ
今回は、前から気になっていたトーマス・ニンクリッツを取り上げる。
このブランドは、時計修復のエキスパートとして、アンティークウオッチから置き時計、さらには町の時計塔の復旧まで手掛けてきた時計師トーマス・ニンクリッツがライフワークの一端としてスタートした。そのため、そのどれもがハンドメイド。そして古典的で、かつとても味わい深い。
そして最大のウリはムーヴメント。ETA社の手巻きムーヴメントであるユニタス6498-1をベースに、19世紀の懐中時計のようなグラスヒュッテ様式を取り入れた仕様に手作業でチューンナップされている。時計修復のエキスパートらしい様々な改良がふんだんに盛り込まれていて、まさに手作り感満載なのである。
今回インプレッションさせていただいたこのヴァイスヴァーサは、同ブランドのなかでも特にユニークな仕様で実におもしろい。その最大の理由はムーヴメントの表裏を逆にセットしている点にある。上の写真を見ていただきたい。文字盤として見えている部分は、実のところ一般的な時計においてはスケルトン仕様になった裏ブタ側から見られるムーヴメントのプレートとテンプ周りということになる。
つまり、普段なら時計を外して裏返しにしないと見られないはずの、ムーヴメントに施されたグラスヒュッテ様式の4分の3プレートや青焼きネジ留めのゴールドシャトン、スワンネンック緩急針、そしてテンプの動きまでもが装着しながら常に見られるというものだ。文字盤の一部分をスケルトン化してテンプの動きだけを見せる仕様とは比べ物にならないほど大胆かつユニークな仕様なのである。
しかしその反面、見た目にはかなり個性的に映ることも確か。ただ、時計単体で見るのと実際に着けてみるのとでは意外にもちょっと見え方が違った。もしかすると普段シースルーバックから見慣れている光景だからかもしれないのだが、個性的な外見も、着けてみると強く気にするほどの違和感はそれほど感じられない気がする。
個性的な仕様とはいえあくまでもベースは古典。ちょっとファッションに個性をプラスしたい人にはおもしろい時計なのではないだろうか。そして何と言っても、見る人の視線を釘付けにすることは確実。きっと自然と会話も弾むに違いない。
(写真◎笠井修)
![ヴァイスヴァーサ4](http://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/12/TN01-05.jpg)
![ヴァイスヴァーサ5](http://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/12/TN01-06.jpg)
INFORMATION
モデル名 ヴァイスヴァーサ
ケース素材 ステンレススチール
ベルト素材 レザー
サイズ 42㎜
防水性 日常生活防水
ムーヴメント 手巻き(Cal.TN203/ユニタスETA 6498-1ベース)
税込み価格 78万8400円
問い合わせ シェルマン TEL.03-5568-1234
www.shellman-online.jp/
![ヴァイスヴァーサの正面](http://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/12/TN01-07.jpg)
![菊地 吉正](http://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/04/kikuchi_photo.jpg)
菊地 吉正 – KIKUCHI Yoshimasa
時計専門誌「パワーウオッチ」を筆頭に「ロービート」、「タイムギア」、近年では女性向けウオッチマガジン「ワッタイム」と、時計関連の雑誌を次々に生み出す。また、アンティークウオッチのテイストを再現した自身の時計ブランド「OUTLINE(アウトライン)」のプロデューサーとしてオリジナル時計の企画・監修も手がける。GERMAN WATCH.jp編集長。
2018.12.20 UPDATE
![](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/04/MG_sam.jpg)
2008年に創業したモリッツ・グロスマン。ドイツ時計産業の聖地であるグラスヒュッテにおいて、最も新しい時計メーカーでありながら、いまやドイツを代表する高級時計メーカーのひとつとして確固たる存在感を示している。
SPECIAL 2018.04.17
![](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/04/sp_lh_0.jpg)
ザクセン州の首都ドレスデンに工房を構える独立系ブランド、ラング&ハイネは、往時の宮廷時計の伝統を受け継ぐ時計作りを現代に貫き、徹底したハンドメイドにこだわっている。
SPECIAL 2018.04.07
![](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/sam_SHN_8287.jpg)
ヴェンペはドイツにクロノメーター検定を復活させた立役者だった!
長らく歴史の途絶えていたドイツのクロノメーター検定を復活させたヴェンペ。その拠点となるのが同社が所有するグラスヒュッテ天文台である。
![](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/sam_G_2023GW_SlideTOP.jpg)
12月19日まで。14のドイツ時計ブランドが集うフェアが日本橋三越本店で開催!
日本国内で取り扱いのある14のドイツ時計メーカーが一堂に会する“ドイツ時計フェア2023”が日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリーで絶賛開催中だ。今年で5回目を迎えるフェアのテーマは“ドイツらしさ!”。
INFORMATION 2023.11.29
![](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2022/06/ae46b1f460ee46f789c27b264a6cb421.jpg)
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WHAT’S NEW 2022.06.14
![](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2022/03/0a83c282053c0ae9e603ae17d640ce97.jpg)
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INFORMATION 2022.03.29