バーゼルワールド2019注目の新作時計 【KUDOKE(クドケ)】
KUDOKE
クドケ
バーゼル2019で自社ムーヴを発表したKUDOKE(クドケ)
AHCI、通称アカデミーの準メンバーに選出!
今回、バーゼルワールド2019に出展を果たしたKUDOKE(クドケ)。自社ムーヴメントを搭載した初のコレクションとして2018年8月に発表したKUDOKE1(クドケワン、以降クドケ1)とともに最新作のKUDOKE 2(クドケツー、以降クドケ2)がお披露目となった。
そして今回のバーゼルワールドでは、もうひとつ注目すべき発表があった。それは、同ブランドの設立者であり、時計師であると同時に彫金師でもあるステファン・クドケ氏(上の写真)が、独立時計師創作家協会(AHCI、通称アカデミー)から、その創造性と技術力が認められ準メンバーに選出されたというのである。つまり、今回発表されたクドケ1と 2が同アカデミーに高く評価されたことを意味している。
そこでまずは、昨年発表されているものの、今回のバーゼルでは実質的な初お披露目となったクドケ1からあらためて簡単に触れたいと思う。
クドケ1の最大の魅力は何と言っても、クドケ氏が満を持して完成させた初の自社製手巻きムーヴメント、カリバー1(Kaliber 1)に尽きる。アイデアの源泉となったのは、クドケ氏自身が購入したものの長い間引き出しのなかで眠っていたという19世紀のイギリス製懐中時計用ムーヴメント。
最大の特徴は、それに倣ってテンプを支えるブリッジを中央寄りに配置(上の写真で装飾が施されている部分)するというかなり斬新な設計スタイルにある。しかも、プレート表面の独特な光沢感を持つ梨地仕上げは、サンドブラスト仕上げなどの機械で行われたものではなく、独自の手法によってすべて手作業で施されている。この独特な輝きも他にはないもうひとつの大きな魅力と言えるだろう。
筆者は、2018年8月にクドケ氏本人が初来日した際に、このムーヴメントの魅力についてインタビューをしている。詳しくはそちらの記事も参照いただきたい。
そして、クドケ1の派生モデルとして今回新たにバーゼルで発表されたのがクドケ2である。違いは、クドケ1をベースに“ナイト&デイ”が描かれた24時間計が12時位置に追加されている点だ。
このナイト&デイ、彫金師でもあるクドケ氏ならではのハンドエングレービングによって夜空と昼間の太陽がドーム状のディスクに表現され、しかも2種類のメッキ処理が施されるなどかなり手の込んだ作りだ。
最初のモデル、クドケ1はまったく新しい方向性を示したのに対して、クドケ2は、その方向性を踏襲しつつも、これまでのスケルトンウオッチに通じるアーティスティックな一面ものぞかせる、まさにクドケらしい遊び心とアートが融合した作品に仕上がっているというわけである。
INFORMATION
(文◎菊地吉正)
2019.04.02 UPDATE
2008年に創業したモリッツ・グロスマン。ドイツ時計産業の聖地であるグラスヒュッテにおいて、最も新しい時計メーカーでありながら、いまやドイツを代表する高級時計メーカーのひとつとして確固たる存在感を示している。
SPECIAL 2018.04.17
ザクセン州の首都ドレスデンに工房を構える独立系ブランド、ラング&ハイネは、往時の宮廷時計の伝統を受け継ぐ時計作りを現代に貫き、徹底したハンドメイドにこだわっている。
SPECIAL 2018.04.07
ヴェンペはドイツにクロノメーター検定を復活させた立役者だった!
長らく歴史の途絶えていたドイツのクロノメーター検定を復活させたヴェンペ。その拠点となるのが同社が所有するグラスヒュッテ天文台である。
12月19日まで。14のドイツ時計ブランドが集うフェアが日本橋三越本店で開催!
日本国内で取り扱いのある14のドイツ時計メーカーが一堂に会する“ドイツ時計フェア2023”が日本橋三越本店 本館6階 ウォッチギャラリーで絶賛開催中だ。今年で5回目を迎えるフェアのテーマは“ドイツらしさ!”。
INFORMATION 2023.11.29
【ドイツ時計を深掘り】”ノモス グラスヒュッテ“から“クラブ キャンパスシリーズ”に流行のカラー文字盤モデルが登場!
ドイツの時計製造聖地であるグラスヒュッテに本拠地を置く時計メーカー“ノモス グラスヒュッテ”がエントリーモデルである“クラブ キャンパスシリーズ”に流行のカラー文字盤を取り入れた最新作を発表したため、その詳細をお伝えす […]
WHAT’S NEW 2022.06.14
【ドイツ時計を深掘り】A・ランゲ&ゾーネの最新直営店がオープン!
1845年、グラスヒュッテに時計産業を興したアドルフ・ランゲ。彼が興したA・ランゲ&ゾーネは、いまなおグラスヒュッテの市街地にあり、ドイツで最も優れた時計を作っている。しかしその歴史は必ずしも順風満帆とはいえな […]
INFORMATION 2022.03.29