高品質な仕上がりながら価格を抑えたチュチマの戦略モデルがすごい
TUTIMA GLASHÜTTE
チュチマ・グラスヒュッテ
高級ライン“パトリア”に初のスチール仕様が登場
2008年に創業地であるグラスヒュッテへと帰還を果たしたチュチマ・グラスヒュッテは、これを機に自社ムーヴメントの開発に乗り出した。
こうして13年に完成したキャリバー617を搭載し、現在チュチマの高級ラインとして展開されているのが、日本語で“故郷”を意味する“パトリア”の名を冠したコレクションである。
これまで18金仕様のみしか展開されていなかったこのパトリアに、19年の新作として待望のスチール仕様が発表。これがいま時計好きの間で大きな注目を集めているのだ。
従来のゴールド仕様が持つ古典的な雰囲気に対して、ぐっと現代的な雰囲気が高められたスチール仕様。とりわけ注目は、“チュチマ(かつては最高グレードを示す名称だった)”の名にふさわしいハイクオリティな仕上がりだろう。
本作では丁寧に鏡面仕上げを施したケースや高品質のブルーエナメル文字盤を与えることで、スチール仕様とは思えぬ気品を醸し出しているのである。
また搭載する自社製のキャリバー617は、メッキ処理した受けに伝統的なグラスヒュッテ・ストライプを丁寧に施されている。青焼きネジこそ使われていないが、その見た目は時計好きにもしっかりと刺さる秀逸な仕上がりだ。フリースプラングや巻き上げヒゲなど精度を追求した高級機にふさわしい機構を装備する点も見逃せない。
なりより驚きだったのが、その戦略的な価格だ。
ムーヴメントの仕上げなど既存の18金仕様とまったく同じであるにもかかわらず、価格は70万円台とかなり控えめなのである。その完成度の高さを考えれば驚異的なコストパフォーマンスと言えるだろう。
これだけの完成度と魅力的な価格設定ならば、今後同社の主力になっていくに違いない。
(文◎堀内大輔)
パトリア以外の2019年新作をチェック
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