ドイツ時計の魅力を再考する<テンプション>
TEMPTION
テンプション
視認性を極めた3針
実用性を追求した定番のクロノグラフコレクションと並行して、近年はミニマルな意匠を突き詰め、視認性を極限まで追求したモデルの展開にも力を入れているテンプション。2013年には3針モデルの集大成とも言える“CM01 ウィズ サイクロップアイ”に発表。本作は翌14年に発表されたベルベットのような深みある赤い文字盤を採用したバリエーションである。
CM01では、“無駄な要素を極限まで減らし、必要な要素を強調していく”という考え方、いわゆる引き算の美学のもと、時計の本質とも言える視認性を追求することに最も重点が置かれている。バウハウスに傾倒する一方で、侘び・寂びといった東洋思想にも造形が深い、オーナー兼デザイナーのクラウス・ウルブリッヒ氏らしいアプローチと言えるだろう。
そして、同氏の製品哲学が表れた象徴的なディテールのひとつが、CM01に限らずテンプションの現行コレクションすべてに共通して見られるロゴの仕様だ。一般的に、文字盤に入るブランドロゴはいちばんに目立たせることはなくとも、ある程度目につきやすいようセットされている。しかし、CM01では文字盤と同系色にし、エンボス加工を施すだけに留められている。テンプションの製品哲学にあてはめるとブランドロゴでさえ優先順位は高くないのだ。
また、CM01独自のディテールとして興味深いのはデイト表示に付属するサイクロップアイだ。通常、レンズは風防表面に設置されるが、CM01では風防の内側をレンズ状に加工することで、同様の効果を生み出している。これによりフラットな美観を追求し、破損の危険も回避されている。
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