ドイツで行われているウオッチ・トレーダーショー
目的を明確にして臨めば楽しめる
ドイツ・ミュンヘンでは年に数回、ウオッチ・トレーダーショーが行われている。
先日、WTA(Watch Trader Association)というショーから「2019年開催スケジュール」の案内が届いた。よい機会なので、以前、僕がこのショーに参加させてもらった際に記事にした内容を改めて紹介したいと思う。
ショーに参加したのは2016年9月。会場はドイツ・ミュンヘン国際空港近くのホテルで行われた。その時のドイツ行きの目的は、銀座シェルマンさんとグラスヒュッテで開催されたイベントに出席し、それを取材することだったが、ミュンヘンでアンティークの買い付けも行うというので「興味があれば」とお誘いをいただき実現したのだった。そのため、事前に許可をとっての正式な取材でないため写真がクリアでないことをあらかじめご了承いただきたい。
最初にまずトレーダーショーの概略を簡単に紹介することにしよう。
開催場所はミュンヘン国際空港からタクシーで20分ぐらいのところにあるドルチェホテルだ。このホテルはコンベンションホールを併設しており、その一部を利用して開催された。
トレードショーは初日(土曜)がWTA(Watch Trader Association)、2日目(日曜)がユーロ・ウオッチフェア(Euro Watchfair)とそれぞれ別の団体が運営している。ほぼ毎月(正確に言うと年8回)のように開催されている。
さて、初日のWTAだが、簡単に入場できると思いきや結構セキュリティーが厳しい。当初は会員であるシェルマンさんのゲストとして見学させてほしいと頼んでもらったのだが、一切許可できないと即刻断られる。
そのため年間メンバーに登録することになったのだが、これが想像以上にしっかりと管理されている。まず申請書類に必要事項を記入しパスポートを提出。年会費(ゴールド会員300ユーロ、通常会員の場合は100ユーロ/取材当時)を支払った後に顔写真を撮影。そして、その顔写真が付いたIDカードが発行されるという流れである。つまりこのIDカードのバーコードを入り口のガードマンがスキャンすることで、ようやく入場できるというわけだ。まさにバーゼルワールドでのプレス用IDカードと同じ仕組みである。
この受け付けは当日のほか、前日の16時〜20時の時間帯にも可能。当日朝から入場して早めにめぼしい時計を見つけたい人は前日に済ませておいたほうがいいだろう。なぜかというと、開催時間は午前9時から18時だが、プラチナメンバーは8時、ゴールドメンバーは8時30分というように、開場時間前に入場できるように優遇されているからだ。僕がWTAに入場したのはミュンヘン入りしたのが当日だったため午前11時過ぎと遅くなってしまった。そのせいもあるのだろうがアンティークはかなり少なく、半分ぐらいをロレックスが占め、しかも大半が1970年代以降の個体という印象だった。
一方、日曜日に開催されるユーロ・ウオッチフェアだが、入場料(40ユーロ/取材当時)と引き換えに専用のリストバンドを渡される。それを手首に巻き付けておけば、あとはそれを入り口のガードマンに見せるだけ。WTAに比べるといたってシンプルだ。そのため来場者には一般人もかなり多く、こちらのほうが盛況に感じた。シェルマンさん曰く、ユーロ・ウオッチフェアはドイツ近郊の人も出店するため商品の品揃えは幅が広いとのこと。確かにアンティークは断然多く、おまけにランゲ懐中や旧東ドイツ時代の時計もあるなど、見ているだけでも楽しめる。
ちなみに僕は初日のWTAで、程度の良いヴァシュロン・コンスタンタンの222を見つけてしまった。値段を聞くと9000ユーロ。清算は現金のみ。もし現金を持っていたら(支払いは現金のみであった)恐らくそうとう悩んだに違いない。
もしドイツに行く機会があるならば、こうしたトレードショーをのぞいてみるのも面白い。
ちなみに直近での開催は2018年9月15日(現地時間)。会場はミュンヘンのインフィニティーホテルとのこと。ただし支払いは現金のみなので注意が必要である。
WTA(Watch Trader Association)サイト
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