彫金師ならではの魅力が凝縮されたクドケの日本限定モデル
KUDOKE
クドケ
日本限定モデルで
広がるクドケの世界
時計師であると同時に優れた彫金師でもあるステファン・クドケ氏自らが立ち上げたドイツの独立系ブランド「クドケ(KUDOKE)」。スケルトンウオッチを得意とし、徹底して手作りにこだわった独創的なクリエイションで知られる。今回は、以前に紹介したスケルトンダイアルとはまたひと味違う、クドケ氏の彫金師ならではの魅力が凝縮された作品、セクターダイアルコレクションを紹介したい。
これは、かつて1930年代の短期間だけに存在した文字盤のデザインモチーフ(写真❶)で、アンティークウオッチ愛好家の間では、その希少性から高い人気を誇る、通称“セクターダイアル”をデザインとして採用したコレクションである。しかも、クドケの日本での輸入元であるシェルマンは、アンティークウオッチを長年取り扱い、愛好家からも高い信頼を得ている名店でもある。実はそのシェルマンから提案されたものなのだ。現在、バックオーダーを抱えるほどのクドケ氏だが「日本のユーザーのために」と快く引き受けてくれたという。そんなクドケ氏の特別な想いと優しい人柄が詰まった作品とも言えるだろう。
クドケ氏はセクターダイアルを浮き彫りによって表現、マイクロスコープをのぞき込みながら、文字盤の素材である銀盤にデザイン要素を自らが手作業で一つひとつ直接彫り込んでいく、まさに失敗は許されない一発勝負。高い技術力と集中力が求められるうえ、とても時間と手間のかかる作業だ。そして、手作業ゆえに個体差が微妙に現れることから、厳密に言えばひとつとして同じものが存在しない。1点ものというこの特別感も大きな魅力のひとつなのである。そんなシェルマンだけでしか買えない希少な限定コレクション、ぜひ実機を見てその繊細な作り込みを実感してみてほしい。
(文◎菊地吉正)
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